ダブルウィッシュのベトナムウィッシュ

【第20回】安く済まそうとバイク旅をする時は気をつけなくちゃ!

2016年05月24日公開

5月19日に 僕らが出場したベトナム版「サスケ」 が放送され、翌日からもう人だかりでベトナムの街を歩けなくなっちゃうなあと思いきや、誰からも気づかれない Double Wish Shinsuke です。
そろそろ声かけていいですよ。みんな恥ずかしがらないで!
 

さて、ベトナムに住み始めて11か月が経とうとしています。
しかし、ベトナムのことをまだまだ知りません。
住みます芸人 です。
もっと、ベトナムのことを知らなければいけないと思い、コンビで旅をすることにしました。

まずは、連休2日を使って、行く場所を決めました。
観光地ではない場所を選ぶことにしました。
ホーチミンから北へ150km、 ビンフオック省 の省都 ドンソアイ(Đồng Xoài) という町です。

どうやっていこうかとコンビで調べていると、バスが10万VND(約500円)で出ているらしいことがわかりました。
しかし、貧乏芸人、僕はケチります。
だって、往復20万VND(約1000円)ですからね。
現地についてからバスやらタクシーやら乗ったら、トータル40万VND(約2000円)は行くでしょ?!
和食3回も食いに行ける・・・。

というわけで、Kazuに 「バイクで行こう」 と提案しました。
ガソリン満タンが5万VND(約250円)。
8回も給油することはない、という試算で説得しました。
Kazuは渋々OKしてくれて、僕らは次の日、出発することになりました。

10km進んだところで、 バイクが故障しました。 僕のが。
突然動かなくなった・・・。

おい!!!
まじかい! 早すぎはしねぇーかい?!

原因はすぐにわかりました。
ゴムのチェーンが切れてました。
前にもこの修理をしたことあります。

「大丈夫! 前回は15万VND(約750円)で新しいチェーンと交換してくれた!」
僕は心の中で叫びました!
15万VNDなら許容範囲です。

そして、路上にいる修理屋のおじさんに見せました。
すると、「ここでは無理だ!チェーンがないから、違う店に行ってくれ」と言われてしまいました。
そりゃそうですね。
道端にいる修理屋さんでチェーンを常備してるところが珍しいですもんね。

お礼を言って、そのお店を去ろうとすると、おじさんが、
「お金支払ってくれ」 と言ってくるじゃないですか?!
まじっすか?!修理してもらってないのに?!なんの対価?!

不服な顔をしていると、Kazuが 「ベトナムでは普通だから」 と言ってきました。
なんだか不当にとられた気がしましたが、郷に入れば郷に従えです。
2万VND(約100円)支払いました。

そして、別の店に行き、やっとこさ修理してもらえました。
2時間も待たされましたが、チェーンを他の店まで買いに行ってくれたので逆に感謝です。
丁寧な仕事に満足し、いくらか聞くと・・・
 

「35万VND」(約1750円)
 

高っ?! 嘘でしょ?! 前回15万VND(約750円)だったよ!?
などなど伝えましたが、チェーンそのものが30万VND(約1500円)したと言われて、仕方なく払いました。
高い。高いよチェーン・・・ウェーン(泣)

なけなしの金を支払い、出発することになりました。

 
もう、修理はできません。
出発して僅か10kmで、37万VND(約1850円)も支払ってるんです。

修理したお陰で、故障もなく残り140kmを走り終え、その日の夕方6時にはドンソアイに到着できました。
150kmの移動にかかった時間は、トータル8時間程。
長い道のりでした。
途中人っ子一人いないようなところを走ったので、そこで故障しなくて本当によかったと思いながら、眠りにつきました。
 

そして次の日、ドンソアイにある滝を見に行こうということで、走り始めました。

すると、また、調子が悪いのです。
走行中なんだかカラカラ音がします。
これは、もしや?嘘でしょ?もう、故障は嫌よ!ねぇ?チェーン?と疑問に思いながらチェーンをみてみると、 チェーンの破片がポロポロ落ちてるのが見えるじゃないですか?!
早くない?!もう、チェーン切れそうなの?!昨日の今日よ?!

僕はチェーンを労わる走行に切り替えました。
そうです。 時速10km走行です。
こっちはもう修理できないんです!
修理したら、せっかくバイクで来た意味ないじゃないですか?!

そんな走行を1時間程しているとKazuから、「こんなんじゃいつまで経っても滝にも行けんし、ホーチミンにも帰れんよ」と説教です。
33歳です。35万VND(約1750円)を渋って怒られる大人の自分を恥ずかしく思い、近くの修理屋に意を決して入りました。

時間がかかりそうだったので、近くのカフェに入りました。
すると、修理していた若いにーちゃんが、カフェに来てこう言いました。

「ここでは出来ない。チェーンがないから」

またかい?!チェーンないんかい!?
あぁーーーーーーー
もーーーーーーーー
また2万VND(約100円)とられるーーーーーーっと思い、「いくらですか?!」っと聞くと・・・
 

「いらないよ!」
 

ええええええええええ!?

そういう店もあるん?
Kazu嘘つきじゃん! 普通じゃないじゃん!
そうだよね! にーちゃんあんたが正しいよ!

Kazuにそのことを伝えると、「この街の普通なんだろうね~」と、普通を次々作り出す 「普通生産おじさん」 に変身していたので、これ以上言うのをやめました。

そして、にーちゃんに感謝の旨を伝え、出発しました。
また、労わり走行です。

滝には労わり走行で無事到着できました。
しかし、労わり走行の限界です。もう、止まりそうな音がします。
 

ップスップス
 

もう、心肺停止寸前です。
僕らは比較的大きな町ビンロンの修理屋さんで修理してもらうことにしました。
そして、修理屋さんに入り、お願いすると、驚きの返答です。
 

「この町にこのチェーンはない! ホーチミンまで行け!」

 
そんなことある?!
このチェーンって見つけるの困難なレア物なの?!

労わり走行でホーチミンまで?!
 
無理ーーーーーーー絶対無理ーーーーーーー
 

そんなこと言っても、帰らないことにはしょうがありません。
ホーチミンへ進みます。残り150km・・・。
 

もんだいです。
Shinsukeくんは、ビンロンから時速10kmで150km先にあるホーチミンまで帰ります。
さて何時間かかるでしょう。
 

こたえ:150÷10=15時間
 

こんな小学3年生レベルの算数問題が脳裏に浮かび、ゾッとしました。

ゆっくり進みます。
大きなトラックがクラクションをならしながら抜いていきます。
怖いです。
気温は35℃、アスファルトの上の温度はそれ以上・・・ 暑いです。

怖い暑いの二重苦のため、1時間程で、道路にあった修理屋に入ることに決めました。
ホーチミンまで戻らないとこのタイプのチェーンはないと言われましたが、一縷の望みに賭けました。

見たところ何もなさそうな店構えです。
諦めながらもチェーン交換をお願いしました。
すると、奥から、大量のチェーンを持ってきてくれました。
え?! ざっと見ても10個はある!
僕の、僕のチェーンありますかっと聞かんばかりの目をして待っていると、ひとつを取り出し、はめようとしてくれました。
 

きたーーーーーーーーっ
 

です! 織田裕二の目薬のCMばりの声でました!

 
しかし・・・ 合致しません。 あちゃーーーーー
やはり、無理か・・・。

と、店主が下っ端に、お金を渡してるじゃありませんか?! 
買いに行かせるやつです。
下っ端、買いに行きました。
チェーンの神様お願いします。 キセキ起これ!

10分後、下っ端、 「手ぶら」で帰って来ました。
せめて夢見せてーーーーーーーーー
やはりないんですよ。この町にはないんですよ。最初から言われてましたよ。
 

僕らがすっかり諦めて立ち尽くしていると、下っ端と店主が何やらしています。
店主が「いいんだよ。いいんだよ!」と言っています。
下っ端はまた、出かけて行きました。

僕は、何かわかりませんが、キセキの予感を感じました。
「君と巡り会えたそれってキセキ♫」 もう、GReeeen歌ってました。
 

そして、下っ端が帰って来て、 その右手にはチェーンが!
キセキ起こりました!

「2人寄り添って歩いて、永遠の愛を形にして♫」
下っ端が手際よくチェーンをはめて、愛を形にしてくれています。
よかった。本当によかった。

しかし、なんだかよく見ると、なんだか変なんです。
少し、少し、 チェーンが大きいのです。
んん? どゆこと、大丈夫なの!?
少し大きくても、平気なの?!

そういえば、 先ほどの店主の「いいんだよ。いいんだよ!」 ・・・ピンときました!
 

「(少しぐらい大きくても)いいんだよ。いいんだよ!」ということだったんです。
 

ダメだろ?! 絶対ダメだろ!
時すでに遅し、修理は終わってます。

テスト走行する下っ端。 快適に走ってます!
嘘ーーーーーん?! まじで?! 行けるんだ!

僕は、20万VND(約1000円)を店主に支払い、帰ることになりました。
高い金ですが、労わり走行から脱せられるんです。

そして、ちゃんとチェーンが噛み合ってない音のするバイクで、無事にホーチミンまで帰りました。
 

今回の旅で、 修理費だけで57万VND(約2850円) も支払ってしまいました。
ケチに行こうとした結果、多額のお金を支払うはめになりました。
本当にバスで行けば良かったです・・・。

いや、しかし、こんな経験ができるから楽しいんですよね。そうですよね!
なんて言い聞かせなきゃやってられません。
みなさんもバイク旅行では故障に注意して下さいね。
 

ちなみに、帰って来た次の日、 またバイク故障して30万VND(約1500円) 払いました。
 

はーーーーーさーーーーーーんーーーーーーー
 

それでは、また次回。

Double Wish Shinsuke

1982年生まれ熊本県出身、熊本高校、中央大学卒業、よしもと東京NSC13期生

NSC(養成所)を卒業後、同郷のKazuとDouble Wishを結成。「ロンドンハーツネットムービー」トライアングルにて、Kazuが引っかかる。その時にKazuの発した「既読せぇーや」が、その年の流行語大賞にノミネートされたとかされないとか。

「ベトナムで一番有名な日本人」になる為に日々奮闘中。

ダブルウィッシュのベトナムウィッシュ一覧へ

関連ニュース