データでわかるベトナム

【第32回】ベトナム人が日本語を学習する理由は?

2016年11月08日公開

ベトナムでは、仕事をしながら夜間や週末を利用して学校に通っている人がとても多いと感じます。中でも、 外国語の習得が「良いキャリア」を得るための効率的な手段 と考えられています。そこで今回は、ベトナム人がどの言語を学習しているのか、その言語を習得したい理由は何なのか、16歳から29歳までの男女500人を対象に、調査してみました。


 

現在勉強している外国語は?

調査の結果、人気の言語は ダントツで「英語」。 続いて 「日本語」と「韓国語」、「中国語」 の学習者数が多くなっています。日本語が男女ともに同様の人気であるのに対して、韓国語は圧倒的に女性に人気があることがわかりました。


 

外国語の勉強方法は?

外国語の勉強方法ですが、言語によってかなり特徴があります。最も一般的なのは、 「語学学校で学習する」 方法です。実際、英会話学校などは平日・週末ともにかなり賑わっています。それ以外では、 「Youtube」や「オンラインサイト・アプリの利用」 などが挙げられます。

日本語学習者は「語学学校」の割合が高い特徴があります。一方で、韓国語については、「Youtube」や「テレビ・映画など」の割合が高く、韓流エンターテイメントのコンテンツを活用している人が多そうです。

日本人にとっては、外国語学習というと、学校などでしっかり勉強して・・・というイメージがありますが、ベトナム人の学習では、もちろん語学学校などでみっちりやる人もいますが、身の回りにあるメディアやツールを使って気軽に学習する姿も多く見受けられます。


 

今後学習したい言語は?

それでは、今後学習したいと思っている外国語は何でしょうか? やはり 「英語」が圧倒的 な支持を集めていますが、 「日本語」「韓国語」も人気が高まっています。 現在勉強している言語の比率と比較すると、この2か国語への関心が高いことがわかります。


 

その外国語を学びたい理由は?

その外国語を学びたいと思う理由について探ってみると、言語によりばらつきがありました。全体的に見ると、やはり 「良い仕事に就くため」 という回答が最も多く、続いて 「仕事で使用するから」 という現実的な必要性によるものが多いです。特に英語の学習理由は、この2つに集中しています。

一方、 日本語学習の理由は、「その国が好きだから」「その国の文化が好きだから」 などが多く、仕事に関連した理由よりも多数を占めています。

実際に日本語が話せるベトナム人に、なぜ日本語を勉強したのかを聞いてみると、 「日本のアニメが好き」「日本に興味がある」 といった、目的が曖昧で、文化に寄った答えが返ってくることがよくあるのではないでしょうか。日本に興味をもってくれることは大変有難いと感じると同時に、非常に興味深い学習理由だなと感じます。

株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。

NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。

2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中

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