【第4回】幼稚園の給食って?

2018年12月19日公開

お子様のご家庭での食生活はいかがでしょうか?今回は、おおぞら日本人幼稚園での給食、食育についてご紹介したいと思います。保育者が献立を考えるメニューや食材はもちろんのこと、子どもたちの調理への関わり方や楽しい食イベントについてもお伝えします。

給食の味付け・メニュー

日本の場合、塩分の制限などにより、ともするとカレーが別の味になっていることも無きにしもあらずですが、味覚は3歳から認識されると言われています。我が幼稚園の場合は日本の保育園の給食に比べるとやや味付けは濃いです。美味しいものを美味しいと感じることができるメニューや味付けを考え、月曜日から金曜日までの5日間、ベトナム料理・和食・イタリアン・韓国料理・中華と種類に富んだメニューを組み合わせています。

和食では旨味成分をたっぷり使ったお味噌汁が好評です。ベトナム料理は、紫芋スープなど、最初はその色や匂いに驚く子どももいますが、ベトナム生活に慣れていくに従い、食欲が出てきます。偏食を治すことは目的としていません。みんなで美味しく食べることがまず先です。

食材

ベトナムでの食材選びは慎重に行っています。最近は、オーガニック野菜が出回り、美味しい野菜が簡単に手に入るようになってきました。幼稚園でも安全に食すことができる野菜の選択を重視しています。

幼稚園では Thien Sinh farm(ティエンシン・ファーム) のスタッフの方にご協力いただき、屋上でプランターの野菜作りを始めました。

子どもたち自身が植えたものを、自分で収穫するという経験も増やしていきたいと考えています。まず手始めに、レタス、チンゲン菜、ミニトマトに挑戦です。

お餅つき・流しそうめん・ピザ作りなど

子どもも大人も楽しめるメニューも盛り沢山です。お餅つきは、お正月のお餅つきに始まり、ひな祭りの菱餅作り、入園のお祝いの紅白餅、こどもの日の草餅と 保育者が張り切ってお餅をついて配ります。流しそうめんも、流すものはお素麺だけでなく、ミニトマト、パイナップル、ナタデココなど流せるものは全部流します。ピザは本格的にピザ窯を作りました。トッピングは子ども達と一緒に盛り付け、ベトナム人スタッフの焼き手も繰り返すたびに焼き加減がどんどん上手くなってきました。焼きたてピザは子どもたちにも、ベトナム人スタッフにも大人気です。

クッキング

年長組の子どもたちは野菜を切ったり、餃子を包んだり、自分の分だけではなく、他のみんなの分も調理することがあります。まだまだ子どもで小さいからできないのではなく、包丁を持つこと、野菜やお米を洗うことなど、自分たちでできることからチャレンジしていきます。

ランチョン

保育室の関係で、年長組、年中組がホールに集まり、一緒に給食を食べます。年長組のお当番とアシスタントが配膳などの準備をします。年中組は、年長組の様子を見て学び、「ありがとう」の感謝の気持ちが生まれます。クラスを超えて一緒にいただく給食は格別です。

幼稚園の給食を通し、食べ物への興味、食事マナーの習得、食材・作り手への感謝の気持ち、みんなで食べる美味しさを感じてほしいと願っています。

多々内三恵子

おおぞら日本人幼稚園理事長・園長。

静岡大学教育学部附属幼稚園・青山学院幼稚園教諭を経てホーチミンで日系幼稚園を開園。

日本の保育を真摯に、かつユニークに展開中。

子どもの世界の面白さを語ったら止まらない。

>> おおぞら日本人幼稚園ウェブサイト

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