豚が如く

ホーチミン豚のメッカ、ブヒブヒ酒場

2015年11月24日公開

こんにちは、 ホーチミンのブタゴリラ こと佐井です。
ブタゴリラはもちろん、「キテレツ大百科」のガキ大将、ブタゴリラのことです。


佐井画伯作

しかし、よく考えると、「ブタゴリラ」だなんて、いじめっ子のくせにかなりディスられたあだ名をつけられたものだと思ったのですが、調べてみると、これは 自分で命名して広めた らしいです。

ブタゴリラの本名は「熊田薫」。
ブタゴリラのお父さんは「熊田熊八」という名前なのですが、自分のイカつい名前にコンプレックスを持ち、生れてくる子供は綺麗な名にしようと、「薫」という名前を付けました。
しかし、ブタゴリラ本人はこれを「女々しい名前」と嫌っていて、自分から周囲の人たちに「ブタゴリラ」と呼ばせたのだそうです。

ちなみに ブタゴリラは 「ブタ」と呼ばれると怒る らしい。
こだわりですね!!

 
さて、今日はそんな 豚の話 です。

毎週日曜の夕方には、フラッグフットボールの練習をしている佐井ですが、練習後、激しく肉が食べたくなった佐井は、チームメイトの山崎さん、竹上さんとともに、肉を食べに行くことにしました。

ベトナムで肉と言えば、基本的に牛肉はNGです。
宗教的とかそういう意味ではなく、牛肉は美味しくない。
ベトナムの牛肉は、とにかく硬い。
まるでホルモンのように、いつ飲み込んでいいのかわからない。
煮込み料理以外は、ちょっと遠慮したいです。

ベトナムに来たばかりのころ、「ベトナムで売られている牛肉は 水牛だ 」という噂を聞きました。
未だ真偽のほどは確認できてないですが、なんとなく納得できる噂だと思ったのを今でも思い出します。
関係ないですが、ヒンズー教で牛は神聖な生き物ですが、水牛は見た目から「悪魔の使い」として扱われており、ヒンズー教の人も食べるそうです。

というわけで、 ベトナムで肉と言えば豚肉!!
いざ豚肉を食べに!!

と、やって来たお店は、川向うにホーチミン4区が見えるVo Van Kiet通りにあります。
ドンコイ通りあたりからだとタクシーで10分かからずに着きます。


Vo Van Kiet通り

結構ローカルな地区にあって、場違いな欧米感満載の建物が、目的地 「Quán Ụt Ụt(クアンウットウット)」 です。


お店の入り口

「Quán」は、漢字で書くと「館」にあたり、食堂や飲み屋、カフェなどの店を示す言葉。「Ụt Ụt」は、ベトナム語でブタの鳴き声を表すそうです。
つまり、日本語に翻訳すると、 「ブヒブヒ酒場」 という感じでしょうか。


フライ返しを持った黒豚が目印

お店のキャラクターも、ブヒブヒ酒場感満載の 黒豚君 です。
楽しそうにしている君に、 「お前が調理されるんやで」 と伝えてあげたい。

このお店は、スペアリブなどのバーベキュー料理のほか、ハンバーガーなども提供しています。
何ともアメリカン、 デブを集めるために仕掛けられた罠 のようなお店です。


入り口に並べられたバーベキュー装置

お店の前では大型のバーベキュー装置があり、店員さんが一心不乱に肉を焼いています。


唾がとまらん!

もうとにかく、 視覚と臭覚に激しく訴えかけながら、デブ達をひきつけてやまない です。
見ただけで激しくお腹がすいて、ヨダレが止まりません。
完全にパブロフの豚状態です。

しかし、こちらのお店、それ以上の大きな罠が。
予約ができない!!
そのため、お店の前で沢山の客が待っています。


店の前は人だかり

この日も19時にお店に着くと、すでに4組くらいの先客が。

お店の受付に登録すると、店員さん、「う~~ん、30分待ちかな・・・」。

まじでー、こんなにお腹がすいているのに・・・。
仕方ないので、待つことに。


となりのどローカル屋台

ちなみに、ブヒブヒ酒場の隣には、どローカルな屋台があり、ここでビールでも飲みながら待つことができます。

この、どローカルなお店も完全に棚ボタ商法だなぁと来るたびに感じます。
うん、実際、毎回お世話になっています。

というわけで、まずは練習として、乾いたのどを潤すことに。


いっただっきまーす!

ビール日本代表の山崎さん も、ビールにご満悦。
いつもながら、今日もビールをたくさん飲むのでしょう。

ちなみに、なぜ山崎さんがビール日本代表なのかというと、山崎さんは安い路上ビール屋が立ち並ぶバックパッカーエリア、ブイビエン通りによく飲みに行き、ベトナム代表のおっさん達とビール勝負をしているそうです。

飲む前にはお互いの国歌を斉唱し、国の威信をかけて飲んでいるらしく、試合の後は毎回、グデングデンだそうです。
そんなところで、代表戦が行われているとは・・・・。


最初の一口が最高!

竹上さんもグビグビいただいております。
紹介遅れました。当コラム初登場の竹上さんです。
佐井と同業者のITエンジニアさんです。

そんなこんなで、30分くらいの間に全員でビールを4本飲んだところで、店員さんが「席の用意ができた」と、呼びにやってきました。

ちなみにビールのお支払いは全部で6万VND(約330円)。
じつに安い・・・。儲けは出ているんだろうか?

 
ようやく、店内にたどり着いた我々。もうかなりの腹ペコです。


楽しそうな黒豚君の下に、黒豚君が焼かれるメニューが並ぶ

メニューは、こんな感じ。英語で表記されているので注文しやすい。
むしろベトナム語のメニューが無いので、ベトナム人のお客たちがどう注文しているのかが心配です。

我々はすでに外でビールを飲んでいますが・・・

山崎さん: 「3人いるから3リットルいけるでしょう!!」

と、タワービールを注文。


真剣勝負

さすがビール日本代表。目つきが異様に真剣です。
まるで、新手のスタンド使いのようです。
多分ブチャラティーあたりでしょう。


うほっ!ビールがあれば幸せ

しかし、本当に飲みきれるのか?
この日、佐井はお腹を下していて戦力外。

実は、この1週間前まで日本に帰っていた佐井。
どうも最近、日本に帰るとお腹の調子が悪いのです。

ベトナムの水に慣れ過ぎて、日本の水が体に合わなくなってしまったのか?
人体は不思議です。


山盛り!

そうこうしているうちに、最初の料理が到着です。
まずは鶏皮のフライ。
鶏皮は日本でも居酒屋メニューの定番ですが、こちらは1個1個のサイズがアメリカン。
デカイ。 そして、 パリパリかつ中はジューシー!!


カリカリ!

そして、こちらその名も「ジャスト ベーコン」!!
いや、ジャンクです。実にジャンクです。
そりゃー、WHOも勧告したくなるジャンクさです。
でも カリカリでじつに香ばしい!!


ぐるぐる!

そして、イタリアンソーセージ。付け合わせは、ホウレン草クリームとマッシュポテト
文句なしにビールが進みます。
以前にもお伝えした 通り、やはり デブはソーセージが好きです。


でーーーんっ!

そして真打のスペアリブの登場です。
今回3人なので、ハーフサイズを注文しました。
付け合わせはオクラと人参です。


でかっ!

ちなみに、これは以前に来店した時に注文した、フルサイズのスペアリブ。
在りし日のウーさんと比べても、その巨大さが確かめられます。


身はほろほろ

このスペアリブ、ナイフで切ってますが、はしでも切れるくらいの柔らかさ。
秘伝と思われるバーベキューソースが、豚に絶妙にマッチしています。


うますぎるっ!

いや、本当に美味しい。山崎さんもしゃぶりついて食べています。

お肉がホロホロと取れて、口の中でジュわっと肉汁が広がります。
ホリ○ンもびっくりの 「ジュンジュワー」 です。


ビールがすすむねえ

いやぁ~~これは実に美味しいねぇと、山崎さんもガンガンビールを煽っていきます。

来店から30分経過ですが、すでに3リットルのビールが半分くらい無くなりました。
ちなみにその70%は山崎さんが飲んでています。

さすが、ビール日本代表。


・・・。

竹上さんは真剣な表情で、山崎さんの健康を心配している・・・。
わけではなく、スペアリブを味わっています。

ちなみに、最初に4品頼んだのですが、ビールを飲み終わる前に食べつくしてしまったため、追加で料理の注文を。


いちいち大きい

豚ショルダーのバーベキュー。
付け合わせはフレンチフライとマカロニ。

ショルダー肉は実に柔らかい。
スペアリブとは違う風味でこちらもビールが進みます。


このテリが食欲をそそる!

そして、鶏の手羽先。

チリソースで味付けしてあり、こちらもビールに合う。


う~んっ!おいしっ!

実に美味しい料理たちに、遂にビールも飲みほしてしまいました。

ちなみに、3リットルのうち70%はビール日本代表山崎さんが飲みました。
さすが日本代表、気合が違います。


試合後のリング上に残るのは残骸のみ

3人で、ビール及び料理を食べつくしてやりました。
実に美味しく、かつ満腹です。

ちなみに、これだけ飲んで食いましたが、お会計は115万VND(約6300円)。
実にリーズナブルでした。


タワービールを空にしてやったぜ

ビール日本代表もご満悦な表情です。


うっぷ。おなかいっぱい

ということで、 Quán Ụt Ụt(クアンウットウット) の「スペアリブ」を豚が如くが推薦する、 ホーチミンデブ食 に認定します。
いやぁ~~美味しかった。

「ホーチミンデブ食地図 (mập map)」 にも登録します!!

佐井高志

ベトナム在住暦3年になる佐井家の旦那。通称「親方」

日本にいた頃にパワーリフティング、アメリカンフットボールをやっていたこともあり、とにかく体がでかい。ベトナムにいるデブを取りまとめる使命を自らに課している。

このコラムでは、デブだからこそのチャレンジをはじめ、ベトナムがデブにとって住みやすい国なのかどうかを身をもって徹底検証。2013年よりホーチミン市に在住し、2016年よりダナンへ転勤したのをきっかけに、コラムタイトルを『豚が如く~ホーチミン編~』から『豚が如く』に改題。目下、ダナンでデブを開拓中。

2016年11月日本へ帰国。

2018年9月再度ダナンに駐在。

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