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ベトナムで生活していて、家の中で最も悩まされる問題、それは「 アリ 」。マンションの高層階のはずなのに、ふと気がつくと食べこぼしに黒い点々が・・・。甘いもののみならず、肉やご飯、果ては水にまで群がってきます。ただたかるだけならいいのですが、ベトナムのアリは小さいくせに噛まれると結構痛いし、アレルギー反応を起こしてしまう人もいます。そして、日本のアリのように一直線に並んで歩いているのではなく、ジグザグに動き回って貪欲に食べ物を探している姿もちょっと不気味です。更には、アリをつぶすと殺虫剤のような強烈な臭いがします。
© VIETJO Life
家に何かしらの隙間があるのがあたりまえのベトナムで、アリの出入りは自由気まま。そんな環境でベトナムの人たちはどういった方法でアリの侵入を防いでいるのでしょうか。特にアリに悩まされるのは食べこぼしの多い小さなお子さんのいる家庭だと思いますが、殺虫剤やホウ酸など薬品を使った方法には抵抗がありますよね。そこで、現地の人が行っている薬品を使わずに手軽にできるアリ退治法をご紹介します。
アリは、チョークの主成分である炭酸カルシウムや硫酸カルシウムを嫌うため、アリが侵入してくる経路を分断するようにチョークで線を引くと、アリは線を乗り越えられず侵入してこないそうです。
ベトナム語で黒板に文字を書くチョークのことを「phấn viết bảng（ファンヴィエットバン）」と言います。「phấn」はチョークのことなのでこれで通じますが、「phấn」には「粉」など別の意味もありますので、「viết」＝「書く」、「bảng」＝「黒板」をつけることで、確実に伝えることができます。文房具店で1箱数千VND（数十円）からと安く手軽に購入できます。
ライムの果汁をアリが侵入しそうなドアや窓の周辺、穴の周辺にぬりつけておきます。アリはライムの香りが苦手なようで、そこから侵入してこなくなります。狭い範囲であれば、ライムを使った後、果肉側をこすりつけておくのも良いでしょう。但し、壁など染みができやすい場所には使えません。
また、2リットルの水にライム4個分の絞り汁を入れ、その水を使った濡れ布巾でテーブルを拭いたり、床をモップがけすると、アリが寄ってこなくなります。
ライムのことをベトナム語で「Chanh（チャイン）」と言います。ライムは果物売り場ではなく、普通は野菜売り場で売られています。
© VIETJO Life ライム（右）とオレンジ（左）
オレンジの皮をすりおろし、少量の水と混ぜてどろどろにしたものを、アリが侵入しそうな家の隅に塗りつけておくと効果があるそうです。家の隅々をよく観察すると、アリが出入りしている小さな穴があいていることがあります。その入り口に塗りこんでおくと、そこからアリは出入りできなくなります。
© VIETJO Life ドアのサッシの隅に開いたアリの侵入路
オレンジのことをベトナム語で「Cam（カーム）」と言います。現地のオレンジの皮は緑色をしていますが、輸入物のオレンジ色の皮のものでもOKです。
アリは酢のにおいが嫌いなので、水に同量の酢を混ぜ、霧吹きでスプレーしておくとアリの侵入を防げます。但し、酢のにおいが強いので、ガス台の周りなど場所を限定して使用すると良いでしょう。
ベトナム語で酢のことを「Giấm（ザム / ヤム）」または「Dấm（ザム / ヤム）」と言います。
© VIETJO Life
これまで紹介したようなアリの侵入を防ぐ方法ではなく、アリをおびき寄せて殺してしまう方法として、ベーキングパウダー（または重曹）を使う手があります。ベーキングパウダーと砂糖を3：1の割合で混ぜ合わせたものを、アリの通り道に置いておきます。アリがこれを食べると、ベーキングパウダー（炭酸水素ナトリウム）とアリの持つ蟻酸（ぎさん）が反応して二酸化炭素が発生し、お腹が膨らんで死んでしまうそうです。
ベトナムで一般的に売られている砂糖（Đường、ドゥオン / ドゥーン）は粒子の粗いグラニュー糖のため、このままベーキングパウダーと混ぜても、砂糖だけ食べられてしまいます。しっかり混ぜるためにグラニュー糖をすり鉢などで細かくすりつぶすか、ケーキのデコレーションなどで使用する粉砂糖（Đường bột、ドゥオンボッ）を使用すると良いでしょう。
ベトナム語でベーキングパウダーは、英語から「Baking soda（ベイキング ソーダー）」、または「Bột nổi（ボッノーイ）」「Bột nở（ボッノー）」と言います。「nổi＝浮かぶ」、「nở＝膨らむ」という意味です。スーパーや市場の粉モノを扱う店で売られています。
これは土の中にある巣穴を破壊する方法です。巣穴の上に植木鉢を伏せて置き、底の穴から大量の水を流し込むというもの。こうすると、普通に巣穴の上から水をかけるよりも一気に水が巣穴に流れ込んで、巣を破壊します。アリさんには申し訳ありませんが、庭にアリの巣がある場合はこの方法が効果的です。
インターネットを調べていると、これほんとに使えるの？と思う方法も紹介されていました。
おそらくアリが通り道につけるにおいがわからなくなるからではないかと思われます。でも、筆者の家では小麦粉の袋にアリが入り込んでしまったことがありますので、本当に効果があるのでしょうか・・・。塩やコショウ、唐辛子の粉を撒くというのもありましたが、効果のほどはわかりません。
アリはキュウリの皮が嫌いなので、置いておくと寄ってこない、ということなのですが、他の虫が寄ってきそう・・・。
そのまんまやん！という方法。効果はあるでしょうが、人間の足も捕獲しちゃいそうです。剥がすのもたいへんそう。
特に屋外でアリがテーブルに上がってくるのを防ぐ方法として、透明のビニール袋に水を入れて、テーブルの足元に置いておくと効果的、というのがありました。日本でよく行われていたネコよけのペットボトルみたいなものでしょうか。乱反射をアリが嫌うからかと推測しますが、あるベトナム人は「ビニール袋に映る自分の姿に驚くから」と言っていました。ホントに！？
効きそうなものから眉唾なものまで、様々な方法がありますが、まずは家にあるものを使ってできる方法から試してみてくださいね！
