ヤバイ!ってどう言う?
~つい口に出るベトナム語5選~

2015年08月17日公開

職場で皆が黙々と仕事をしているとき、書類をチェックしていたベトナム人スタッフの口から飛び出た「チェットローイ」というつぶやき。一体何がおきたの?いいこと?悪いこと?と思うこと、ありますよね。あとでスタッフに聞くと「何でもありません」と教えてくれない。あやしい・・・。あのつぶやきの意味がわかれば・・・なんてこともあるんじゃないでしょうか。そこで、失敗したときについつい口から出てしまう代表的なベトナム語を紹介したいと思います。

Trời ơi !(チョーイオーイ)

ベトナムにきた外国人がすぐに覚えてしまうぐらい、ベトナム人はしょっちゅう口にします。Trờiは「天」、ơiは呼びかけの言葉。英語の「Oh, my god」と同じく思いがけないことが起こったときに驚きを表す言葉で、悪いことだけでなく、良いことに対しても使われます。

▼似た表現
+ Ối trời ơi ! (オーイチョーイオーイ) ối=おお
+ Trời đất ơi ! (チョーイダッオーイ) đất=地
+ Trời đất quỷ thần ơi ! (チョーイダックイタンオーイ)  quỷ thần=鬼神

Chết rồi !(チェットゾーイ / チェットローイ)

chếtは「死ぬ」、rồiは「~してしまった」という意味で、直訳すると「死んじゃった!」です。例えば忘れ物をしたときや、仕事でミスを発見したときなどに、誰にあてるともなくつい口について出てくる言葉です。日本語だと「しまった!」「ヤバイ!」といったニュアンス。英語の「Shit」に近いですが、それほど下品ではないで、職場を含めた日常で使っても大丈夫な言葉です。

Mẹ kiếp !(メキエップ)

「まったくもう!」という腹立たしさを含むニュアンスの言葉で、やはり何か悪いことを発見したときに誰にあてるともなく使われます。mẹは「母」、kiếpは漢字の「劫」で、仏教世界の「前世」「現世」「来世」の「世」を表します。つまり、「ついてないこの世」ということのようです。

普段よく使われる表現ですが、 他人に対して使うと、「ふざけるな!」という強い怒りを表す言葉 になりますので、気をつけてください。

Mẹ nó !(メノー)

nóは「アイツ」という第3者を卑下した言い方です。直訳すれば、「アイツの母さん(のせい)」つまり、誰というわけでもないアイツの母さんがアイツを生んだせいでこの悪いことが起こった、悔しい思いが言葉に含まれています。まあ、使っている人は誰もそこまで深く考えてはいませんが。日本語にすると「しまった!」「まったく!」「チクショウ!」といった訳になりますが、女性が使っても大丈夫ですが、会社などでは使わないほうが良いでしょう。

▼似た表現
+ Bà nó ! (バーノー)  bà=祖母
+ Bà nội nó ! (バーノイノー)  bà nội=父方の祖母

  • 父方の祖母は出てきても、Bà ngoại nó !(バーゴアイノー、ngoại nó=母方の祖母)とはいいません。こういう言葉にもベトナムの父方を正統とする考え方が出ていて面白いですね。
  • con mẹ nó のように、動物を表す類別詞「con(コン)」をつけて、動物扱いにして言うこともあります。
    例)Hôm nay quên con mẹ nó điện thoại ở nhà rồi.
     (今日はくっそー、家に電話を忘れてきてしまった)

Chó chết !(チョーチェット)

Chóは「犬」、chếtは「死ぬ」という意味。犬が死んだから何なのか、と思ってしまいますが、chó chếtには「卑しい」とか「嫌悪すべき」という裏の意味があるので、日本語だとこれも「もうヤダ!」といったニュアンスになります。男性も女性も使う言葉ですが、家族など親しい間柄で使われます。

 
ベトナム語を学習している人でも、とっさの時に口につくベトナム語って、出そうと思ってもなかなか出てこないですよね。ここに挙げた言葉がふと口から出てきたら、ベトナム人が「チョーイオーイ!」とびっくりするかも!? 但し、 Trời ơiとChết rồiの二つ以外は、TPOをわきまえましょう。 今回の5選、ぜひマスターしてみてください。