ベトナム犬はガウガウ鳴く
~越語で動物の鳴き声は?~

2015年11月27日公開

日本語でイヌは「ワンワン」、ネコは「ニャーニャー」鳴くのが当たり前のようになっていますが、果たしてベトナム語ではどのように表現されているのでしょうか。英語の鳴き声の表現が日本語とかなり違っているように、ベトナム語も違っています。イヌというベトナム語が思い浮かばず、「ワンワン」とイヌの鳴き声を真似てみても、きょとんとされてしまうかもしれません。

そこで、人によって表現の仕方は違うとは思いますが、日本語とベトナム語における動物たちの代表的な鳴き声を一覧にしてみました。そう言われれば、こんな風に聞こえるかも?

動物の鳴き声リスト

動物名 鳴き声
日本語 ベトナム語 日本語 ベトナム語
イヌ chó(チョー) ワンワン
クーン
gâu gâu(ガウガウ)
ư ử(ウーウー)
ネコ mèo(メオ) ニャーニャー meo meo(メオメオ)
ngao ngao(ガオガオ、※鼻濁音)
ニワトリ gà(ガー) コケコッコー
コッコッコ
ò ó o (オオオー)
cục cục (クックッ)
ヒヨコ gà con(ガーコン) ピヨピヨ chiếp chiếp(チェップチェップ)
chiêm chiếp(チエムチェップ)
スズメ chim sẻ(チムセー) チュンチュン ※特にない。
一般的な鳥の鳴き声:
chiếp chiếp, chiêm chiếp
chích chi(チッチー)
chích chích(チッチッ)
ríu rít(リウリッ)
líu lo(リウロー)など
ハト chim bồ câu(チムボーカウ) クークー gù gù(グーグー)
カラス quạ(クア) カーカー quạ quạ(クアクア)
ウマ ngựa(グア) ヒヒーン hí hí(ヒーヒー)
ウシ bò(ボー) モーモー ùm bò(ウムボー)
ゾウ voi(ヴォイ) パオーン ※特にない
ライオン
トラ
sư tử(スートゥー)
hổ(ホー)
ガオー、ガルルル gừ gừ(グーグー)
クマ gấu(ガウ) ガオー gừ gừ(グーグー)
キツネ Cáo(カオ) コーン ※特にない
ネズミ chuột(チュオット) チューチュー chit chít(チッチッ)
カエル ếch(エック) ケロケロ ếch ộp(エックオップ)
ộp ộp(オップオップ)
ồm ộp(オムオップ)
ブタ lợn(ロン=北部)
heo(ヘオ=南部)
ブーブー、ブヒブヒ ủn ỉn(ウンイン)
éc éc(エーッエーッ、叫び声)
ヤギ
ヒツジ
dê(ゼー / イェー)
cừu(クウ)
メーメー be be(ベーベー)
サル khỉ(キー) キーキー khẹc khẹc(ケッケッ)
フクロウ cú(クー) ホーホー cú cú(クークー)
アヒル vịt(ヴィッ) ガーガー quạc quạc(クアックアッ)
cạp cạp(カップカップ)
セミ ve(ヴェー) ミーンミーン
※種類によって様々
ve ve(ヴェーヴェー)
※種類で区別しない
ハチ Ong(オン) ブンブン vo ve(ヴォーヴェー)
ハエ
ruồi(ズオイ / ルオイ)
muỗi(ムオイ)
ブーン vo ve(ヴォーヴェー)
コオロギ dế(ゼー / イェー) コロコロコロ réc réc(レックレック)

 
こうやって一覧にしてみると、日本人とベトナム人とでは、動物の鳴き声の聞こえ方がかなり違うようですね。中には、日本では一般的に言われている動物の鳴き声でも、ベトナムでは適当な表現がないものもあります。これは、 人間とその動物の「親密度」 の違いを表していると考えられます。キツネの鳴き声の表現があるのは世界でも日本ぐらいかもしれません。各国の鳴き声を比較すると、面白いかもしれませんね。

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