駐在員と現地採用の違い
~給与や福利厚生は?~

2017年04月05日公開

海外で働く人が増えている中、よく耳にする「駐在員」と「現地採用」。既にベトナムで働いている会社員の人は、このどちらかに当てはまると思います。今回は、この2つの雇用形態の違いについてお伝えします。具体的には駐在員と現地採用では何が異なるのか・・・?それぞれの給与や福利厚生、任期等に基づいて比較していきます。

 

駐在員とは・・・?

駐在員とは、「日本本社との雇用契約の下、会社命令により赴任してきている人」 のことです。雇用元は日本の本社ですから、基本的に日本での給与・社会保険などは、そのまま継続されます。

▽駐在員のポイント

・日本の給与はそのまま+海外赴任手当が支給されている企業が多い
・日本の社会保険制度もそのまま継続加入可
・住宅も会社支給が基本
・家族帯同の場合は、子供の教育費を出す会社も
・日本の役職やポジションよりも高いポジションに就くことが多い
 (例:日本では主任→海外拠点では部長等)
・会社命令での赴任のため、いつまで海外赴任が続くかはわからない

一見すると、「すごい待遇!」と目を見張るのですが、中には日本の生活とのギャップが大きいがために、帰国後に日本の元の生活への切り替えが上手くできない人もいるようです。
その他、ご主人の赴任に帯同した家族が、赴任国での生活に馴染むのに苦労をするなど、赴任が会社命令という自らの意思によるものではない故に色々と苦労することもあるようです。

 

現地採用とは・・・?

一方 現地採用 とはどういったものでしょうか?

現地採用とは、「海外現地法人との直接の雇用契約の下、海外拠点で働いている人」 のことを指します。つまり、自らの意思で働きたい国を選び、海外で法人格を有する会社と雇用契約を結ぶことになります。

そのため、現地採用として働く場合は、基本的に、ベトナム現地法人との雇用契約の下で、 新入社員として新たに入社 することになります。

▽現地採用のポイント

・給与は、駐在員と現地スタッフの中間で設定されている
・日本の社会保険制度の加入は任意(自己負担)
・住居費、教育手当、家族のビザ代支給等、基本的になし
・駐在員→現地採用という潮流
(例:マネージャークラスでの現地採用の募集の増加や現地採用をマネージャー登用等)

 

また、給与に関しては、よく駐在員と現地採用を比較する傾向がありますが、一概にどちらがどうとは言えません。ですが、駐在員と現地採用は一体どういった人かというと、確実に言えることとして、以下の前提があります。

海外赴任する駐在員は少なくともその会社で3~5年は経験を積んでいることが大半です。会社の現状、組織体制を始め、独自の仕事の進め方など、 「その会社の色」を理解している人たち 、と言えます。

また、現地採用については、仮に同業界での経験等があっても、基本的にその会社にとっては「新入社員」です。もちろん、「その会社の色に染まっていない」、という点で、 「新たな風を呼び込む存在」になる ことができます。

 

以上、今回は駐在員と現地採用の違いについてお届けしました。
最近は大手企業でも、駐在員の数を減らし、日本人を現地採用で雇う、もしくは日本でトレーニングをしたベトナム人を現地法人の中核に据える等、日本人駐在員だけでの管理体制から、除々に変化の兆しが現れてきています。

もちろんその過程で各社相当の苦労と現実に直面していますが、そのメンバーの一員として組織の変革フェーズに携われる人材が求められていることは事実であり、そこに魅力を感じる人にとっては、ベトナム就職が1つの選択肢となることでしょう。

<執筆協力>
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ 」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、SNSを活用した無料求人サイト「Billion」の運営、また日本語教育サービスを提供している。
ホームページURL → http://jellyfishhr.jp/
ベトジョーライフでコラム連載中 → 「Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~」