【第1回】ビーチでは「サンドフライ」に注意

2015年01月19日公開

「ビーチで遊んで、帰った翌日にブツブツができて、1週間たっても治らない」

そういって受診される患者さんは結構います。

ベトナムのビーチでよく問題になるのが サンドフライ による虫刺されです。

直訳すれば砂バエですが、実際には砂地に生息する吸血性の小ハエ全般の名前です。
日本語ではサシチョウバエになります。

この小ハエは砂地であるビーチにもよくいます。ビーチによってはサンドフライに注意という看板を出しているところもありますが、それでなくても多くのビーチにいます。
今までの患者さんは ニャチャン、ムイネー、フーコック、ブンタウ いずれのビーチでも刺されて来ています。

サシチョウバエの特徴

サシチョウバエは体調が3-4mmと小さく、蚊よりも動きが素早いです。
気がつくと体の上を歩き回っています。そして刺されても大抵のヒトは気がつきません。痒みも最初のうちはほとんど現れず、数時間から1日ほどたってから強い痒みとともに皮膚が膨らみ始めます。膨らみかたも蚊にさされたようにうっすら盛り上がるのではなく、丘疹といってちょっとしたおできのように盛り上がります。そして治るのにも1週間くらいかかります。ひどい人や治療をしないと2,3週間長引くこともあります。

ただ皆が皆同じようにひどく皮疹ができるわけではなくて、ある程度体質的に皮疹ができやすい人とそうでない人がいるようです。全身にブツブツができた人と同じようにビーチで遊んでいても、少し痒いぐらい、で終わってしまう人もいます。

治療は特別なものはありませんが、いわゆるムシ刺されの対処と同様です。
基本的にはステロイドのクリームを使います。
刺された箇所が多く、痒みが強いときには、抗ヒスタミン薬を飲み薬で飲んでも良いです。

予防について

予防としてはやはり 虫除け です。
それと夕方にサンドフライは活発に活動するので、夕方のビーチ外出の際は少し服を羽織るほうが安全でしょう。

先日は夕方に水着一枚でビーチでごろごろしていた男性の方が、全身を刺されてかゆそうに受診されました。

<著者紹介>
Family Medical Practice Vietnam 
ペドロ・トリゴ 医師(ホーチミンクリニック)
内科、肝臓疾患専門
アジア太平洋肝臓学会 会員
米国肝臓学会 会員
ペドロ医師は肝臓疾患専門医として20年のキャリアがあります。

ファミリーメディカルプラクティス

20年以上の実績を持つ、インターナショナル・メディカルセンター。ホーチミン市、ハノイ、ダナンの3都市に、5つのメディカルセンターを開設。

日本人医師、日本人スタッフも常駐。日本語ホットラインは救急時24時間対応。

救急医療・搬送サービスも提供。救急医療 専用番号 *9999 

 

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