【第6回】失敗しないアパート探し[前編]・・・入居後トラブルTOP3

2018年06月26日公開

皆さん、こんにちは。 廣済堂HRベトナム の堀岡(ほりおか)です。

ベトナムをロジカル(ちょっと辛口)に分析し、ポジティブに解説する[ロジ・ポジ]。今回は、ベトナム滞在3年半にして早くも引越8回を数える筆者が、 ベトナムでのアパート探し をロジカルに分析します。日本人がベトナムでポジティブに生活ができるよう、失敗しやすいポイントや入居後のトラブル事例を[前編]と[後編]に分けて解説を行います。これから部屋を探される方や、引っ越しを考えている方には有益な情報になるはずです。

ベトナムの住居

ホーチミンやハノイといったベトナムの都心部では、間口が狭く(5mくらい)奥行きが長い(18mくらい)建物が多く見られます。歩道ギリギリにまでせり出し、左右の隣家とぴったり接しているのが特徴です。敷地面積の割に高さがあるため、まるで薄いマッチ箱を縦にしたような、地震の多い国から来た日本人にとってはハラハラしてしまう光景が並んでいます。

そして、すぐには見つからない狭い共用の隠し通路(?)を通って建物の背面にたどり着けば、別の入り口から1階の店舗を通らずに上の階に行けるようになっています。


間口が狭く、奥に長いベトナムの店舗兼住宅

実はこのような構造上、部屋の間取りに制約が出てしまい、リビングが暗い住宅が多いです。この点は[後編]で解説します。

まず、アパートを規模で大別すると、①マッチ箱を立てた5階建て前後の個人経営アパートと、②日本でいうマンションのような大型住居に分類でき、ベトナムではこれらをまとめてアパートと呼びます。

さらに、日中不在の時間帯を利用して掃除・洗濯やベッドメーキングといったホテルのようなサービスを提供するアパートがあり、「サービスアパート」と呼ばれています。便利なサービスなので特に単身者には人気が高いようです。

入居後に起きるトラブルTOP3

日本人がベトナムのアパートに住み始めると、どんな問題が起きるでしょうか。ベトナム系の大手不動産会社の経営者に話を伺ったところ、入居後の相談やトラブルで多いのは次の3点だそうです。

①[設備故障]テレビ・クーラー・冷蔵庫などの家電製品や備え付けの家具が壊れた

筆者自身も冷蔵庫の故障に見舞われ、冷凍していた焼き肉用の食材が全滅になりました。しかも、修理が完了したのは1ヶ月も後でした。

②[サービス不備]メイドがしっかり掃除してくれない(サービスアパートの場合)

サービス内容はアパートによって異なります。掃除は週何回するのか、洗濯はアイロンがけを含むのかといった、頻度や内容は事前のチェックが必要です。いつの間にか部屋に置いてあったものがなくなったという話もたまに聞きます。掃除は床やトイレだけにして、整理整頓は自分でしておきたいものです。

③[設備不備]インターネットがつながらない。日本のテレビが映らない

インターネットが切れる理由は様々です。Wi-Fiが広く普及していて、もともと電波が大変込み合っている上に、しばしば 海底ケーブルが切断 されるインフラ系の原因が加わります。Wi-Fiで現在主流となっている2.4GHz帯周波数(IEEE 802.11b/g/n)は電子レンジの干渉を受けて、遅くなったり切れたりします。Wi-Fiルーターの設置場所も確認したいところです。

それでは、筆者の失敗談を元に、日本人が気を付けるべきポイントを解説します。

アパート選びの重要ポイント「ベトナムでバスタブは必要か」

大きな誤解と失望が生じる典型例が「バスタブ」でしょう。入浴の習慣は国によって異なります。日本では、家族が何人いても、バスタブに張ったお湯を共用し、一人ずつ入れ替えるということはありません。これは、浴槽と洗い場が別になっていて、浴槽のお湯があまり汚れないシステムだから可能なことです。しかしベトナムでは事情が異なります。


バスタブがあると本当に便利か?

<チェックポイントー1:バスタブの栓は機能しているか>

筆者がホーチミン7区で住んだ3LDKのアパートは、バスタブの栓(ゴムパッキン)が壊れていて、実質的に機能していないことが入居後にわかりました。結局、半年後に退去するまでの間、バスタブにお湯を張って利用することはなく、不思議なことに不便とも感じませんでした。


ゴムパッキンが壊れていて、お湯が溜められないバスタブを半年間利用

<チェックポイント-2:お湯が溜まるまでの待ち時間>

筆者がホーチミン1区で住んだ1LDKのサービスアパートでは、給湯タンクが40L程度のものでした。バスタブいっぱいにお湯を溜める場合、お湯を溜める→10cmくらい溜まる→タンクが温まるまで10分待つ、といった作業の繰り返しになり、入浴するまで1時間はかかりました。一気に溜めるには200Lくらいは欲しいところ。ただし、家族と一緒であれば、同じ日に全員がお湯を溜めて入浴するというのは非現実的です。


給湯タンクの容量に注意。タンクは天井裏に設置されていることもある

<チェックポイントー3:電気代は誰が負担するか>

お湯を溜めることができても、電気代が猛烈にかかることを想定しなければいけません。筆者の石川県の実家では、安い深夜電力を利用して460Lの湯量を一気に確保します。ベトナムでは電気代の負担方法・支払方法はアパートによって千差万別で、家賃に一部または全額含まれるケース、家主に支払うケース、電力会社に支払うケースなどあり、単価も様々です。家主に支払う場合は、共用部分の電気代(エレベーターや電灯他)を含め増高になっていたりします。

自宅にバスタブがなくても、銭湯気分で外湯という選択肢があります。日系ホテルの多くには大浴場があり、ビジター利用も可能です(1回10~15万VND=約480~725円)。ゆっくりと湯船につかって疲れを癒したいときにはお勧めです。


日系ホテルの大浴場(ただし男性専用の場合が多い)

契約前にすべて指摘する

ホーチミン7区の家族向けアパートでは、バスタブの栓の不具合とバスルームのカーテンの汚れが退去まで改善されませんでした。同じくホーチミン7区の単身者用高層アパートでも、バスルームのカギが見つからないままドアノブの交換などはされませんでした。いずれも、契約後に指摘をしたためです。気に入ったアパートでは、できるだけ早く契約にこぎつけたいという思いからついチェックをし忘れます。指摘はすべて入居前にしたいものです。

その他、入居前にチェックしたい項目は盛りだくさんです。次回[後編]にて、間取りや住環境について解説をします。

まとめ

平日の行動パターンや週末の過ごし方、家族構成によって、室内設備や近所に何があると便利かなど大きく違います。今回は入居後に発生するトラブルと、日本人が重要視するバスタブの要否について解説しました。

日本人がベトナムのアパート探しで失敗しないためには、まず、

①サービスアパートかアパートか。サービス内容は必ずチェックし、かつ期待し過ぎない
②バスタブに対する誤解と失望は多い。必要性と実用性をよく考慮する
③入居前ではなく契約前に改善ポイントは指摘する。遠慮しない

 
ことが重要です。

ロジカルに分析し超ポジティブに生きる[ロジ・ポジ]。
次回[後編]もご期待ください。

堀岡宏至(ほりおかこうじ)

石川県金沢市出身。早稲田大学卒。ベルリンに4年、ホーチミンに2年、ハノイに1年半(現在)。新しいことへのチャレンジと海外旅行(北半球51ヶ国)を趣味とし、特技は、超ポジティブ思考とパソコンの分解修理。

現在、廣済堂HRベトナムの副社長 & ZEN日本語・ベトナム語センターの社長 & YUKI日本語センターの顧問。「ロジカルシンキング」「グローバル人材」等の研修講師を務め、時間があれば大学生にも講義を行う。

基本はシャイで無口だが、話し始めると止まらない、と言われる。

 

連絡先:logiposi@gmail.com または https://www.facebook.com/logiposi/

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