豚が如く

【最終回】ホテルの光、窓の雪

2017年01月23日公開

ダナンの淀川長春こと佐井 です。
「それではみなさん、さよなら、さよなら、さよなら」

デジャブのあるこのセリフですが、ついに3年7ヶ月のベトナム駐在生活を終え、日本に帰ることになりました。

 

3年7ヶ月前、海外志向が皆無で、鎖国主義の佐井は、「僕、海外で働きたいです!!」と言っている人を見ると「カッコつけて中身がない奴なんだなぁ。」と勝手に決めつける、かなりの偏見を持った人間でした。

もちろん自分のベトナム駐在も、当初はかなり嫌で、不安だらけでした。

・・・が、住めば都というか、多くの仲間の支えもあり、とても楽しく過ごすことができました。

 

思えば、大学を卒業してからというもの、職場以外でなかなか友達ができる機会は少なくなっていました。

しかし、ベトナムに来て、住み慣れない土地で色々な人に頼ることも多くなり、そんな中でたくさんの新しい仲間と巡り合うことができました。

ホーチミンに2年9ヶ月、ダナンに10ヶ月、合計3年7ヶ月のベトナム生活で、たくさんの仲間に助けられ、楽しく過ごすことができました。

このコラム 「豚が如く」 も、たくさんの仲間たちの支えがあり、ここまで書き続けることができました。
本当にありがたいことでした。

振り返ってみると、ベトナム生活は本当に楽しいものでした。
是非また戻ってきたいと思っています。
できれば近い将来に。

 

3年7ヶ月の駐在中にベトナムも色々なことが変わりました。
ホーチミンには、イオンモールや高島屋が進出し、日本にいるときと同じとまではいかないですが、色々な食材を手に入れることができるようになりました。


2016年7月高島屋オープン

日本食店も増え、デブのソウルフード「ラーメン」もかなりレベルが高いものを食べられるようになりました。


君が居てくれてありがとう
 

そして、たくさんの若者がホーチミンに住むようになりました。
一昔前、駐在員と言えば、基本的には大企業の部長クラスで40代の方が多いというイメージでしたが、ここ数年で、20代の駐在者がかなり増えてきています。


イイ男ら

ベンチャー企業の担当者だったり、新卒でいきなりベトナムの会社に就職する若者であったり、色々な可能性を追ってやってくる日本の若者が増えてきています。

 

また、ITの進化により、海外での生活自体も障壁は小さくなっています。
一昔前は、日本にいる家族との連絡には値段の高い国際電話が必要でしたが、今はLINEやSkype、無料のインターネット通話が可能です。
SNSで近況を共有することも簡単です。

日本でもしばらく会ったことがなかった友達がベトナムにやってくるということで、SNSでやり取りをして、10年ぶりぐらいに再会ということも何度かありました。

日本のニュースもインターネットですぐに入ってくるので、海外に住んでいても日本に住んでいるのと情報差はほとんどないと感じます。

 

そんな開国に向かう日本ですが、お隣韓国に比べると、海外進出のスピード感はまだまだ遅いです。

ホーチミンに住む日本人の数は約2万人と言われていますが、韓国人は10万人くらい住んでいるらしいです。

日本の人口の半分である韓国では、国内市場が小さいために、優秀で下剋上を狙う若者がどんどん東南アジアに進出しているようです。
彼らはベトナムでも、かなり大きな影響力を持つ集団になっています。

ちなみに、東南アジアで ファッションや音楽はすっかり韓国の影響が強くなっていて 、日本はかなり遅れを取ってしまっています。

 

もっとたくさんの日本の若者が、夢をもってベトナムに来れば良いのにと思う佐井です。
そのためにも、我々先人がベトナムに来やすい環境を整えることが重要かなぁと。
ベトジョーライフ のようなサイトが充実するといいなぁと感じる今日この頃です。

勿論、野望を持った日本のデブにもぜひぜひベトナムに大挙して来て欲しいなぁと。
ベトナム先住デブ代表取締役 として強く希望します。

 

という訳で、最後に僕の好きだった ベトナム料理トップ5 を発表して、 「豚が如く」 を締めさせてもらいます。

おなかをすかせたデブが、この情報につられてベトナムに来てくれることを期待します。

 

第5位 バインミー

巨大バインミー挑戦 の時にも紹介した通り、 米粉をブレンドしたベトナム独特のバケットに色々な具材を挟んで作ったバケットサンド です。

どんな具を挟むかはお店によって色々ですが、個人的には憎々しいくらい肉を挟んだやつが好きです。
是非お気に入りのバインミー屋を探してみてください。

 

第4位 フォー

巨大フォーへの挑戦 以来しばらくトラウマで食べれなかったフォーですが、やはり ベトナムを代表するソウルフード

レベルの高いお店で食べると、とてもおいしいです。
ちなみに、日本のラーメン屋と同じでお店によって味の差は著しいので、ネットなどで調べてぜひおいしい店に行ってみてください。

 

第3位 ソイガー

あまり日本では知られていないですが、ベトナムでは有名な 朝ごはんの代名詞 で、もち米で作った塩味のおこわに、鶏の割いたやつと揚げたネギなどをかけたものです。

モチモチとしたおこわと、サクサクの揚げネギ、そして薫り高い鶏 、バインミーだけではお腹にたまらないと感じる欲しがりさんのデブにはたまらない朝食になるはずです。

 

第2位 ミエンクア

これも日本ではあまり知られていない料理ですが、 ベトナム風春雨である「ミエン」にカニを合わせて炒めた料理 です。

カニの出汁がミエンにしみこみ絶品です。

 

第1位 コムガー

いわゆる ベトナム風のチキンライス です。

チキンスープで炊くので、とにかくご飯がおいしい。
そして、チキンも食べごたえ抜群です。

なお、ダナン風はチキンをフライドチキンにしていたり、ホイアン風は蒸し鶏を使うなど、
地域によって特色があるので、ぜひぜひ地方食べ歩きをしてほしい一品です。

炭水化物ばかりになってしまいましたが、 ベトナムの極意は炭水化物ということで


ベトナム先住デブの固い絆

最後になりますが、各種企画に協力してもらった皆様、また、誤字が尋常じゃなく多い佐井の文章を訂正してくれた 奥さん やベトジョーライフ編集担当の皆様、本当に感謝、感謝です。

ちなみに、今回のタイトル「ホテルの光、窓の雪」は「蛍の光、窓の雪」と書こうとして、派手に変換ミスした結果です。
奥さんも、井上陽水の新曲名かと思ったようで絶句していました。

約2年間、僕の謎の企画報告にお付き合いくださった読者の皆様にも感謝です。
ありがとうございました。

また何かの機会で文章を書きたいと思っていますので、その時はまたお付き合いください。 

それではみなさん、さよなら、さよなら、さよなら。

佐井高志

ベトナム在住暦3年になる佐井家の旦那。通称「親方」

日本にいた頃にパワーリフティング、アメリカンフットボールをやっていたこともあり、とにかく体がでかい。ベトナムにいるデブを取りまとめる使命を自らに課している。

このコラムでは、デブだからこそのチャレンジをはじめ、ベトナムがデブにとって住みやすい国なのかどうかを身をもって徹底検証。2013年よりホーチミン市に在住し、2016年よりダナンへ転勤したのをきっかけに、コラムタイトルを『豚が如く~ホーチミン編~』から『豚が如く』に改題。目下、ダナンでデブを開拓中。

2016年11月日本へ帰国。

2018年9月再度ダナンに駐在。

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