「これは消しゴムです」

2015年06月25日公開

みなさんこんにちは!ホーチミンの中村ノリの嫁です。
主人がまだ戦力外にならんで安心してます。
今日は関西人の私がやらかしてしまった話をします・・・

「これは消しゴムです。」

先日、大学の先生をしている友人に頼まれ、 「大阪弁講座」 なるものを開催してきました。
ベトナムは親日国であることに加えて、日本から進出している企業が多くなっていること、アニメが有名なこともあり日本語を学んでいる人がたくさんいます。

こちらの大学の生徒さん、日常会話は結構できるようで、少しゆっくり話をすると完璧に理解してくれます。
ということで、この「大阪弁講座」もベトナム語一切なしで、
① 自己紹介をしてみよう(大阪弁で)
② 歌を歌ってみよう(もちろん大阪弁の)
③ ノリ突込みをしてみよう(!?)

① ②と順調に進めていきます。
そして問題の③「ノリ突込み」

ケンミンshowなんかでは「関西人はノリ突込みが当たり前」的な風潮があり、私も関西人の代表として「ノリ突込み」をベトナムの生徒たちに熱く語った後に、2人1組になってネタを考え、後で1組ずつ発表していくというスタイルで授業を進めました。

何か物があったほうがネタを作りやすいんじゃない?という友人の提案で紙風船、ペン、消しゴムなど陳列し、「好きなものを持って行ってネタを作ってね」スタンスで。

生徒A「○○貸して」
生徒B「はい、どうぞ」(全然違うものを渡す)
生徒Aは「そうそう」と肯定し、「なんでやねん」と言ういたってシンプルなネタ。

その後、1組ずつネタを披露していきます。
生徒の中には「そうそう」の後にそれを使ってうまくボケたりする子もいてて、思わず私と友人も顔を見合わせて大笑い!
無事、授業は終了しました。

授業の後、生徒の一人が「ありがとうございました。今日のこの授業のおかげで私は今後、関西人と仲良くなれる気がします」と流暢な日本語でお礼を言いに来てくれました。

胸に熱いものがこみあげてきて感無量な私。
と、そこに別の生徒が消しゴムを返却しに来ました。

生徒「先生、ありがとう。風船です」
私「これは風船ではありません、消しゴムです」
生徒「・・・」
友人「・・・」
私「・・・・・・。あっ」

うわ、完全にやってもた!!関西人としてあるまじき失態!

その子が声を出さずに「チョイオーイ」と言ったことだけは分かりました。
ひんやりとした空気の中、私は逃げるように大学を後にしました。
帰り道、私の心の涙をごまかすようにスコールが降ったことは言うまでもない・・・

チョイオーーーイ!!!

佐井加奈子

ベトナム在住暦3年になる佐井家の嫁。関西出身とだけあっていつでもアメちゃんを持ち歩きことあるごとに周りに恵んでいる。

本コラムでは、ベトナムで生活している日本人主婦の独特な目線からベトナムを丸裸にしていく。

2015年2月、ホーチミンからダナンに引越したのを機に「ホーチミンの中心で “チョイオーイ” と叫ぶ」から「ダナンの中心で “チョイオーイ” と叫ぶ」に改題。

2016年11月、日本へ帰国。

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