【第5回】UNESCO無形文化遺産!ゲティン地方の民謡「ビーザム」

2019年02月14日公開

こんにちは、青年海外協力隊の山田邦永(やまだくにはる)です。2017年10月より、ベトナムの非政府組織(NGO) VIRI で、ハノイを拠点に 活動 しています。

今回はベトナム北中部の ゲアン省 及び ハティン省 (両省は1991年までゲティン省という1つの省でした)の民謡「ビーザム」を紹介します。

民謡「ビーザム」とは

ゲアン省及びハティン省―ゲティン地方に代々伝わる伝統的な民謡「ビーザム」は、2014年、 ユネスコ(UNESCO)の無形文化遺産 に登録されました。ビーザムは、ゲティン地方の人々が精神面を重視し、満たされた気持ちで日々の生活を送る上で重要な役割を果たしています。

ビーザムの調べはシンプルで素朴ながらも、非常に親近感を覚えるものです。ビーザムの歌詞はゲティン地方の方言やゲティン地方独特の表現を使って、両親への敬意、愛情、思いやり、勤勉さ、誠実さ等、大切にする価値観や美徳とすることを綴っています。ゲティン地方の人々は、ビーザムを子守唄として歌ったり、また、船を漕ぎ、織り物をし、農作業をする際など、日常生活とともに歌っています。ビーザムを口ずさむことで、楽しく仕事をし、愛情を表現し、また時に悲しみを和らげることができるのです。

「ビーの歌」と「ザムの歌」

民謡「ビーザム」には、「ビーの歌」と「ザムの歌」があります。

ビーの歌 『ナムダンの日光』

「ビーの歌」には、主に恋人や故郷への情熱的な想いが、農作業や日常生活の様子をとおして綴られています。歌い手の豊かな感情を反映して、自由なリズムで歌われます。ビーの歌より、代表曲『ナムダンの日光』の歌詞を リンク先で紹介します 。ゲアン省ナムダン郡はベトナム建国の父、ホーチミン主席の故郷です。

ザムの歌 『母の子守唄』

「ザムの歌」には、主に、恋人や親子の対話が、美しいテンポとともに詩的に綴られています。心地よいテンポから子守唄として歌われることが多く、また、ベトナム戦争の際は一体感を高めるために歌われました。ザムの歌より、代表曲『母の子守唄』の歌詞を リンク先で紹介します

ビーザムを聴くなら「フンソン伝統民謡ビーザムグループ」

現在、多くの観光客がゲアン省ナムダン郡ヴァンジエン村の「 フンソン伝統民謡ビーザムグループ 」の元を訪れ、ビーザムの美しい調べを堪能しています。私が日本人の菓子職人とともに実行したクラウドファンディングプロジェクトにおいては、 支援いただいた方への返礼として本グループを訪問しました 。また本グループは、2018年11月25日にハノイ市内の サクラステーション(Sakura Station)で開催された日越外交関係樹立45周年記念事業「五感で楽しむ日越交流」 において、聴覚に関する日越交流としてビーザムを演奏しました。本グループはゲアン省観光局の発行している ゲアン省ナムダン郡観光マップ でも紹介されています。興味のある方は本グループへ直接お問合せください。

「フンソン伝統民謡ビーザムグループ (CLB dân ca Ví, Giặm Hùng Sơn)」
リーダー:Mr. Truong Trong Tang(ベトナム語のみ)
電話番号:0912431761

青年海外協力隊 山田邦永

ベトナムのNGO、VIRI で、ハノイを拠点に活動中の青年海外協力隊隊員が、彩り豊かな「ベトナム・フェアトレードの旅」へと皆さまを案内します。VIRIは世界フェアトレード機関(WFTO : World Fair Trade Organization)から国際フェアトレード組織として認められたベトナム唯一の団体です。

著者略歴:1983年生まれ。愛知県出身。東京大学卒業、東京大学大学院修士課程修了(分子生物学)、ビジネス・ブレークスルー大学大学院修士課程修了(MBA)。元ファイザー勤務、元ジョンソン・エンド・ジョンソン勤務(R&D)。現在、青年海外協力隊(任期:2017年10月~2019年9月、活動概要:VIETJOベトナムニュース記事参照)。2019年10月に日本へ帰国。

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