年中暑いホーチミン市では、クリスマスが近づいても全くクリスマス気分になりません。それならいっそ、思い切り「ベトナムらしい」クリスマスを味わってみませんか? ここホーチミン市でそんな雰囲気が満載なのは、中心から西に向かった5区の南側にある8区。運河南側を走るファムテーヒエン通りには大きな教会があり、その二つの教会を結ぶ道にはクリスチャン(カトリック)が多く住んでいます。クリスマスになると、各家の入り口にイエス誕生のシーンを再現した飾りつけを競い合い、イルミネーション溢れる通りになります。
ファムテーヒエン通りのクリスマスの飾りつけがされる場所は、以下の地図の赤い線の部分です。私は勝手にこの通りを「クリスマスストリート」と呼んでおります。1kmちょっとの道のりです。
ピンがついているのは教会の場所。オレンジ色のピンは、スタートとなるビンタイ聖堂(Thánh Đường Bình Thái=タインドゥオン ビンタイ)、赤いピンは終点となるビンアン教会(Nhà thờ Bình An=ニャートー ビンアン)です。
この通りに、クリスマスイブ前の2015年12月19日夜8時ごろ、行ってみました。ベトナム人は通常バイクで行くのですが、歩きたかったのでタクシーで。☆印の地点で降りました。1区からだと15万VND(約820円)ぐらいかかるかなと思います。
© NgBK ファムテーヒエン通り(タクシーを降りたあたり)
私たちが行ったのは、クリスマスイブ5日前。住民の話では、あと2日ぐらいしないと各家の飾りつけが出揃わないということでした。また、クリスマスが終わると、2~3日で飾りを撤去してしまうそうです。かなり大掛かりな飾りもあるのですが、思いのほか短期間。入り口をふさいでしまうし、人が大量に押し寄せるし、電気代もかかるしで、そんなに長期間やっていられないのかもしれません。
全体的に飾りつけはまだぽつりぽつりという感じですが、2つの教会の飾りつけは完了していました。すでに飾りつけが終わっている家も一部ありましたので、歩いた順番に紹介していきます。
人が集まってくれば商売をやっている人たちがたくさんいます。子供用のサンタさんのコスチュームや子供向けのおもちゃ、食品、飲料。さらには衣料品やカーテンまで!みなさん、商魂たくましいです。
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子供向けのコインを入れて動く遊具があるお店には人だかり。ただ単に、遊具がサンタさんのコスチュームに着替えただけなんですけど、大繁盛です。
しばらく行くと、ビンタイ聖堂(Thánh Đường Bình Thái=タインドゥオン ビンタイ)が見えてきました。
© NgBK 左手に見える明かりが教会
© NgBK ビンタイ聖堂入り口
教会全体が、イエスが生まれた洞窟を再現しています(日本では「厩(うまや)」と翻訳されたため馬小屋と誤解されていますが、本来は洞窟とされています)。
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写真好きなベトナム人があちこちで記念撮影。クリスマスイブは相当ごった返すと思います。
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聖堂左手には、なぜか火を噴く山が。
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アダムとイブがヘビにそそのかされリンゴを食べるシーンです。
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旧約聖書に人間の祖先として登場するアブラハムが、神に命じられて息子イサクを生贄として捧げようとするシーン。アブラハムの信仰の確かさを知った神はこれを止め、アブラハムを祝福しました。
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こちらは、モーセがシナイ山で十戒を授かるシーン。シナイ山は活火山だったので、だから火山の飾りつけになっているんですね。聖書の内容を知っていると、より面白いです。
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大がかりな滝まで作られていました。
教会を出て、引き続き道を歩きます。
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制作途中のお宅。かなり時間がかかりそうです。
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個人の家でも滝稼働中。すごい!
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制作途中でも意に介さず、記念撮影する人たち。
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この日の道はバイクがまだ流れていますが、当日は大渋滞になると思います。
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こちらは既に完成しているようです。
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ちょっと灯りが途切れたところに、貝やサトウキビジュースの屋台がたくさん出ていました。疲れたので、サトウキビジュース(1杯5000VND=27円)を飲んで、ちょっと休憩したりして。
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ここには、大きくて立派な聖家族の像が設置されています。その外には・・・
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なぜかカンガルー!?
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ヒツジさんも、なんとも微妙・・・。女の子の顔も心なしかこわばってます。
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道路標識も、クリスマスツリーにはやがわり。
ぷらぷら歩いていて、終点のビンアン教会(Nhà thờ Bình An=ニャートービンアン)に到着です。
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教会の入り口は、さながら縁日のようにたくさんの物売りが。
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教会に入ってまず出迎えてくれるのが、こちら。
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電動の巨大サンタさん!!! 一点を見つめ、ひたすら鐘を鳴らしております。サンタさんて、鐘鳴らすんだっけ? プレゼント配りにいかなくていいの?
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教会全体が、イルミネーションでいっぱい。
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天使ガブリエルがマリアに受胎を告知する場面。
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身重のマリアをロバに乗せ、ベツレヘムの町にやってきました。
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が、ここには大きな滝と、見たことのない首の長い動物が。ベツレヘムにはいないような気がする・・・。
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イエス生誕のシーン。とても凝っていて、きれいです。
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イエス生誕のときにやってきた東方の三博士の一人。動物はラクダ・・・なんですかね? 贈り物が妙に現代的。ちなみに、三博士の贈り物は乳香、没薬、黄金でした。
と、ここから場面が急展開!
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ベトナム名と番号の入った漁船に、法王や宣教師たちが!? いったいどういうコンセプトなのかはわかりませんが、「イエス誕生→そしてキリスト教が世界に広まりました」という、超はしょった説明なんでしょうか。それとも、領海問題がこんなところまで???
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そして最後にベトナム人の家族の図。はしゃぎぎみの子供の後ろには、淋しげな表情の大人たち。もっとお祝いしようよ!と思いますが、現代社会の状況を憂えているのかもしれません。
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路地では、クリスマスムードとは関係なく、上半身裸のおじさんたちが夕涼みしていました。表通りの非日常的なムードとかなり対照的ですね。住人のみなさんは、毎年このお祭り騒ぎをどう思っているのか、気になるところです。
と、突っ込みどころ満載のクリスマスストリートでした!
人ごみはとにかく、スリが多発します。教会といえども例外ではありませんので、できるだけ財布や荷物を持たず、現金は上着で隠れる位置にあるポケットにむき出しで入れるなどの対策を。
また、排気ガスが相当すごい可能性がありますので、喉の弱い方はマスクを持参してください。この通りは抜け道がありませんので、一旦この道に入ると、Uターンして戻ってくるしかありません。ご注意を。