トイレのホースの正体は
~ハンドシャワーの使い方~

2015年03月12日公開

ベトナムの都市部では様式トイレが普及しており、 新しい公衆トイレ の設置も進んできて、トイレ環境がずいぶん良くなってきました。そんな中でも、日本との違いに戸惑いつつ、なかなか人には聞けないトイレ事情ってありますよね。尾篭な話で恐縮ですが、今回はトイレに設置されている謎のホースの正体と、その使い方について紹介したいと思います。


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ベトナムでもシャワートイレが普及!?

トイレの脇に設置されている謎のホース、掃除用と思われている人もいるかもしれませんが、これはお尻を洗うハンドシャワーです。日本のように便座と一体型になっていて温水が出るのではなく、直接水道管とつながっているため、常温の水が出てきます。日本では公衆トイレにもシャワートイレが設置されていますが、実はベトナムでも既にシャワートイレが普及しているんですねえ。

ベトナムは従来、紙でお尻を拭く習慣がなく、水が豊富な地ですので、バケツなどに汲み置いた水で洗浄しています。その進化形がこのハンドシャワーです。このハンドシャワー、ベトナムだけではなく、インドやタイ、マレーシアなどでも普及しているそうです。

ベトナム人はたぶんこのように使っている


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さて、ハンドシャワーの正体がわかったものの、ベトナム人はどのように使っているのでしょうか。ハンドシャワーにはボタンがついていて、それを押すとかなりの勢いで水が飛び出してきます。普通に考えると、この水をこのままお尻に当てれば、周囲がべちゃべちゃになる上、洋服まで濡れてしまいそうです。いったいどうしているのでしょうか。

ベトナムでは元々、和式と同じようにしゃがむタイプのトイレが主流でした。現在都市部のトイレは洋式が主流となっていますが、しゃがまないと用が足せないという人が多いらしく、洋式のトイレの上に器用にしゃがんでいるようです。そのせいで、便座がすぐにボロボロになり、取り外されているケースも多いのです。それでもベトナム人は、細い便器のふちに足をのせてしゃがみ、用をたしています。足腰が柔軟なんですね。


© VIETJO Life 「便座の上に足を載せるな」の注意書き

トイレに注意書きをしなければならないほど、洋式トイレの上に足を載せる人が多いです。実際には、上の写真の人を反対向きに座らせたような体勢で用を足しているようです。

こうすると、お尻がぐっと下へ沈み込むため、ハンドシャワーでお尻を洗ったとき、水は自分の足に流れてしまうことなく、お尻から真下にある便器の中に落ちると考えられます。なので、便座や床はびちゃびちゃになっても、自分自身はあまり濡れずに済むわけです。

しかし、日本人がベトナム人と同じような体勢を取ることは難しく、できたとしても抵抗感がありますよね・・・。

びちゃびちゃにならないためには

そこで、筆者が考えたびちゃびちゃにならない手順は次のとおりです。

① 用を足したら、お尻を前にずらし、後ろにスペースを空ける

② お尻を心もち便座の中に沈ませる

③ ハンドシャワーを持ち、後ろ斜め下からお尻を洗浄

④ 立ち上がる前に、トイレットペーパーでお尻の水気を取る

以上、案外簡単です。トイレットペーパーが備え付けられていないトイレも多いですが、この方法だと、濡れるのは便座の輪の中にあるお尻の部分だけなので、水滴がだいたい落ちるのを待って立ち上がれば、水が足に大量にたれてしまうということはありません。あくまでも便座があって座れる状態にあるというのが前提ですが、いざというときお試しください。

なお、この方法だと水が床に飛び散ることはありませんが、背中後方の便座の部分が若干濡れますので、トイレットペーパーなどでふき取っておきしょう。

また、ハンドシャワーによって水の勢いに違いがあり、四方八方に飛び散ってしまうものもありますので、使う前に一度便器の中に向かって水を発射させてみることをお勧めします。

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