「満タン」ってどう言うの?
~ガソリンの入れ方~

2015年03月10日公開

バイクを手に入れてまず最初にやらなければならないのが給油。ガソリンスタンドでは英語が通じないし、店員にどう言えばいいのかわからない、と困っている人もいると思います。そこで、今回はガソリンスタンドで給油する方法をご紹介します。


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ガソリンの種類


© VIETJO Life ガソリンスタンドの給油機の上にある表示

ベトナム語でガソリンは「Xăng(サン)」と言います。上の写真の上段に書かれている文字を参照してください。「Xăng RON(ゾン/ロン)」と書いてありますが、「RON」は米国などでも使われている「リサーチ・オクタン価(Research Octane Number=RON)」のこと。この数字が大きい「Xăng RON 95(chínmươilăm、チンムオイラム)」のほうがオクタン価が高く、日本で言う「ハイオクガソリン」にあたります。「Xăng RON 92(chínmươihai、チンムオイハイ)」のほうが「レギュラーガソリン」です。自分のバイクに適した給油機の前行くようにします。店員が持っている給油ホースがどのガソリン給油機につながっているのか、確認するようにしてください。違うホースを持ってきた場合には、「Chín mươi lăm」「Chín mươi hai」と数字伝えましょう。

なお、写真下の段の「Dầuhỏa(ザウホア/ヤウホア)」は灯油、「DO 0,05S」とあるのはディーゼルガソリンですので、すいているからといってこちらの給油機の前に行かないようにしましょう。

ガソリンを入れる手順

今回は、ベトナムでガソリン販売最大手のペトロリメックス(PETROLIMEX)での給油例をご紹介します。オレンジの「P」のマークが目印です。最近は少なくなりましたが、粗悪ガソリンを売ったり、給油メーターを誤魔化す店舗もありますので、比較的きちんと管理されている大手販売チェーンで給油するのが無難です。


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この給油所に掲げられている給油の手順に沿って説明したいと思います。

① 車両を定位置に案内し、客の要望を尋ねる

と書いてはありますが、バイクの停車位置を先に指示されることはありません。一番最初の写真にあるバイクのように、給油機に対して垂直になるよう空いている場所にバイクを入れます。空いている場所のない混雑時は、もたもたしていると後からくるバイクに次々横入りされてしまいますので、給油が終わりそうなバイクの後ろにつけて待ちます。

給油ポジションについたらエンジンを切り、給油口を開け、店員に入れてほしい量を伝えます。ベトナムでは、リッターで入れてもらうことは殆どなく、金額で入れてもらうか、満タンにしてもらうのが普通です。このとき使うベトナム語を以下にまとめました。金額の場合は原則として1万VND単位で入れてもらいます。このとき、丁寧に「~ドン」と言う必要はなく、数字だけ簡潔に伝えます。

日本語 ベトナム語 発音
10,000 Mười nghìn / Mười ngàn ムオイギン / ムーイゲン
20,000 Hai chục / Hai mươi ハイ チュップ / ハイムオイ(ハイムーイ) 「20」の意味
30,000 Ba chục / Ba mươi バーチュップ / バームオイ(バームーイ) 「30」
40,000 Bốn chục / Bốn mươi ボンチュップ / ボンムオイ(ボンムーイ) 「40」
50,000 Năm chục / Năm mươi ナムチュップ / ナムムオイ(ナムムーイ) 「50」
60,000 Sáu chục / Sáu mươi サウチュップ / サウムオイ(サウムーイ) 「60」
70,000 Bảy chục / Bảy mươi バイチュップ / バイムオイ(バイムーイ) 「70」
80,000 Tám chục / Tám mươi タムチュップ / タムムオイ(タムムーイ) 「80」
90,000 chín chục / chín mươi チンチュップ / チンムオイ(チンムーイ) 「90」
100,000 Một trăm モッチャム 「100」
満タン Đầy bình ダイビン đầy=一杯にする
bình=タンク
1リットル Một lít モッリッ リッは上がり調子で
2リットル Hai lít ハイリッ
  • chụcの発音は、最後の「プ」の母音を声に出さず口を閉じるだけで終わる感じ。ほっぺを少し膨らますようにするとよい。

 
口頭で伝える自信がない場合は、あらかじめ入れたい分のお札を用意しておいて、店員に見せれば良いでしょう。

② 客に給油機のメーターが「0」であることを告げる

店員が、給油機のメーターを指差して見るよう促します。見ないと店員にしつこく見るよう言われる場合がありますので、店員の指差す方向を見るようにしましょう。

③ 客の要求する金額またはリッターどおりに給油する


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現在の給油機は、入力した金額に達するか、タンクがいっぱいになると自動的に止まるようになっています。満タンの場合、店員はできるだけ金額に端数がでないよう追加で入れるため満杯になりすぎてしまい、蓋をするとこぼれたり、古いバイクだとサイドスタンドを立てバイクを傾けると蓋をしていても漏れてしまう場合がありますので、注意してください。

④ 清算前に表示を確認するよう客に告げる

給油が終わったあと、再びスタッフは表示を確認するよう促します。


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給油機のメーターは、だいたい上の写真のようになっています。
・TỔNG SỐ(トンソー)=合計金額(写真の場合は30000VND)
・LÍT(リッ)=リッター(写真は1.844リッター)
・ĐƠN GIÁ(ドンザー/ドンヤー)=単価(写真は16,270VND)

⑤ 代金を受け取り、客に感謝!

入れ終わったら代金を渡します。店員はたいてい手に札束を持っていますので、大きいお札でもお釣りはちゃんと戻ってきますが、忙しいときにはホースから手を離す時間が惜しくて、流れ作業で隣の客の給油を始めて手が空いてからようやくお釣りを返してくることがあります。忘れられているわけではないので、しばらく待ちましょう。ちなみに、店員から感謝の言葉を聞くことはまずありません。

2ストロークエンジンに乗っている場合

古いべスパなど、ガソリンにオイルを混ぜて燃焼させる2ストローク(2サイクル)エンジンのバイクに乗っている場合は、ガソリンを入れた時に 2ストローク用オイル を追加する必要があります。以前はあらかじめ混合されたガソリンが売られていましたが、今はなくなってしまいました。

2ストローク用オイルのことをベトナム語で「Nhớt 2 thì(ニョットハイティー)」と言い、2 thì(2ストローク)は「2T」と略して書かれていたりします。オイルはガソリンスタンドで販売されています。

バイクによって、混合率2%などと決まっていますので、給油の際には必ず給油したリッター数を覚えておき、2%の分量を算出。その分を計量カップで量って給油口から追加します。2ストロークのバイクに乗っている人は、小さなペットボトルなどにオイルを入れて専用の計量カップと共にバイクに備え付けているようです。専用の計量カップはバイクパーツの店で購入できます。

ガソリンスタンドでの注意


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給油する前に、必ずエンジンを切りましょう。もちろん火気は厳禁、当然禁煙です。また、携帯電話の使用も禁止されています。これは、過去に粗悪な電池の使用などにより携帯電話の発火や爆発事故が発生したのを受けたものです。ガソリンスタンドの敷地内で電話をすると注意されますので気をつけましょう。


© VIETJO Life 「販売時間は4時から22時まで」

営業時間は、朝は4時ごろからと非常に早いですが、夜は10時ぐらいには閉まってしまいます。街中に24時間営業のガソリンスタンドはありませんので、早めの給油を心がけましょう。

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