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テト(旧正月)が近づいていくると、どこからともなく聞こえてくる 「テッテッテッテッデンゾイ♪」 という軽快な音楽。日本で言えば「もういくつ寝るとお正月」のような、ベトナムの正月を代表する 「Ngày Tết Quê Em(私の故郷のテト)」 という歌です。何度も耳にして、いったいどんな歌詞なのか気になっている人も多いのでは、ということで、歌詞とその意味を紹介します。ベトナム人の前で完璧に歌ったら、きっと驚かれると思いますよ。
Youtubeにこの曲のミュージックビデオがたくさんアップされていますので、代表的なものを紹介します。ちなみに、歌謡曲の場合は中部・南部の人も、最も標準的とされている 北部発音で歌うのが一般的です。 例えば、rồiは中部・南部では「ロイ」と発音しますが、北部発音の「ゾイ」となります。
このミュージックビデオはベトナムで広い世代に人気のフオン・ミー・チー(Phương Mỹ Chi)という女性歌手のもの。彼女は2003年生まれで、当時は小さな家に14人すし詰め状態で住んでいました。物心ついたころから歌手になって両親に家をプレゼントするのが夢だったそう。6歳のときにその才能が認められ、現在ではベトナム人なら誰でも知っている歌手になりました。昨年、両親のためにと念願だったカフェをホーチミン市10区にオープンしたそうです。そんな家族思いの彼女が歌うこの曲は、よりいっそうみなが集うテトの楽しさが伝わってくるような気がします。
それでは、歌詞の意味を見ていきましょう。
ベトナム語歌詞 | 日本語訳 |
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Tết Tết Tết Tết đến rồi テッテッテッテッデンゾイ Tết Tết Tết Tết đến rồi テッテッテッテッデンゾイ Tết Tết Tết Tết đến rồi テッテッテッテッデンゾイ Tết đến trong tim mọi người テッデン チョン ティム モイグオイ Mừng ngày Tết trên khắp quê tôi ムン ガイ テット チェン カップ クエ トイ Ngàn hoa thơm khoe sắc xinh tươi ガン ホア トーム コエ サック シン トゥオイ Đàn em thơ khoe áo mới ダン エム トー コエ アオ モイ Chạy tung tăng vui pháo hoa チャイ トゥン タン ヴイ ファオ ホア Mừng ngày Tết trên khắp quê tôi ムン ガイ テット チェン カップ クエ トイ Người ra Trung, ra Bắc, vô Nam グオイ ザー チュン、ザー バック、ヴォー ナム Dù đi đâu ai cũng nhớ ズー ディー ダウ アイ クン ニョー Về chung vui bên gia đình ヴェー チュン ヴイ ベン ザーディン Tết Tết Tết Tết đến rồi テッテッテッテッデンゾイ Tết Tết Tết Tết đến rồi テッテッテッテッデンゾイ Tết Tết Tết Tết đến rồi テッテッテッテッデンゾイ Tết đến trong tim mọi người テッデン チョン ティム モイグオイ Mừng ngày Tết phố xá đông vui ムン ガイ テット フォー サー ドン ヴイ Người đi thăm, đi viếng, đi chơi グオイ ディー タム、ディー ヴィエン、ディー チョイ Người lo đi mua sắm Tết グオイ ロー ディー ムア サム テット Người dâng hương đi lễ chùa グオイ ザン フオン ディー レー チュア Mừng ngày Tết ta chúc cho nhau ムン ガイ テット ター チュック チョー ニャウ Một năm thêm sung túc an vui モット ナム テム スン トゥック アン ヴイ Người nông dân thêm lúa thóc グオイ ノン ザン テム ルア トック Người thương gia mau phát tài グオイ トゥオン ザー マウ ファッタイ Tết Tết Tết Tết đến rồi テッテッテッテッデンゾイ Tết Tết Tết Tết đến rồi テッテッテッテッデンゾイ Tết Tết Tết Tết đến rồi テッテッテッテッデンゾイ Tết đến trong tim mọi người テッデン チョン ティム モイグオイ |
テト、テト、テト、テトがやってきた テト、テト、テト、テトがやってきた テト、テト、テト、テトがやってきた みんなの心の中にテトがやってきた 私の故郷のあちこちでテトの日を祝う たくさんの芳しい花が美しい彩りを競い合う 子供たちは新しい服を着て誇らしげ はしゃぎまわって、花火を見てますます楽しい 私の故郷のあちこちでテトの日を祝う 中部へ、北部へ、南部へと人が移動する どこに行こうとも誰もが忘れない 帰って家族と共に楽しむことを テト、テト、テト、テトがやってきた テト、テト、テト、テトがやってきた テト、テト、テト、テトがやってきた みんなの心の中にテトがやってきた テトを祝い楽しさあふれる賑やかな街 人を訪ねたり、参拝したり、遊びにでかけたりする人 テトの買い物にあわただしい人 お寺で線香をあげる人 テトを祝って互いに願う 穏やかで楽しく満ち足りた1年でありますように 農家がもっと籾を手にしますように 商人がはやく財産を築きますように テト、テト、テト、テトがやってきた テト、テト、テト、テトがやってきた テト、テト、テト、テトがやってきた みんなの心の中にテトがやってきた |
© NgBK, テトの日に真新しい服を着た子供たち
ベトナムでは「テトが来た」という内容であってもテトの前から曲を流しますが、日本の「もういくつ寝るとお正月」はお正月の前にしか流さないし、お正月の曲はお正月になってから。そのへん日本はぴっちりしてるなあ、なんて思います。
「Ngày Tết Quê Em(ガイテット クエエム)」は、2006年に亡くなった音楽家トゥー・フイ(Từ Huy)氏が作詞・作曲したもので、1994年の誕生から現在まで、大人から子供まで数多くの歌手によりカバーされています。トゥー・フイ氏の手らしいポップな曲調でありがらベトナム的なメロディにのせ、テトの活気や喜びを率直に表現しています。
この曲は、トゥー・フイ氏のこんな自問から生まれたとか。「なぜ、民族の最も神聖な日をストレートに歌う曲を書いていないのか?」。そこで、「テト」という言葉をサビの部分にいくつも盛り込んだ歌詞になったそうです。ベトナム人はこのサビの部分を聞くだけで、テトの喜びや空気感を感じ取っているような気がします。あまりにもサビの部分のイメージが強すぎるため、ベトナム人の多くは、この曲の題名「Ngày Tết Quê Em」を知らず、もっぱら「Tết đến rồi(テットデンゾイ)/テトが来た」として親しんでいます。
カラオケバージョンもありますので、練習してみましょう! 会社の忘年会で歌ったらウケるかもしれませんよ。