ベトナムで就職したい!
~応募から入社までの流れ~

2016年10月05日公開

近年働き方が多様化する中、選択肢の一つとして一般化しつつある海外就職。アジア各国では日本人の人材需要が高まっており、親日国と知られるベトナムで就職したいと考える日本人も年々増加しています。

日本でベトナムに駐在する可能性のある会社に入社するという方法もありますが、その場合ベトナムに必ず派遣されるとは限りません。ベトナムに住むことが大きな目的の一つであるのであれは、ベトナム現地にある会社に直接雇用してもらう 「現地採用」 という方法があります。

初めてならば当然勝手がわからない海外での就職活動。いざ応募しようと思ったときに頭に浮かぶのは、 「応募から入社までのスケジュールって日本と同じなの?」 という疑問ではないでしょうか。今回は、ベトナムで就職するまでの大まかな流れについて、現在最も一般的になっている人材紹介会社を利用したケースについて解説します。
 

<ステップ1>情報収集

まずは、 自分自身がベトナムで就職したい理由や希望条件を、できるだけ明確にする必要があります。 具体的なキャリアのイメージがついておらず、漠然と「ベトナム(または海外)で就職したい」という思いがある場合は、具体的にベトナムでどのような人材が求められているのか、自分の経験からどのような就職が可能なのか、人材紹介会社に相談すれば情報を提供してもらうこともできます。

また、ベトナムでの生活全般に関する情報をインターネットなどで収集するのはもちろんのこと、ベトナムに渡航したことがない場合は、可能であれば一度ベトナムを訪れることをおすすめします。 就職してもベトナムの生活自体に馴染めなければ長続きはしません。 事前に渡航しておけば現地の生活の様子に触れることがでいますし、そのときに現地の人材紹介会社を訪問すれば、ベトナムの状況を直接聞くことができ、求人情報だけでなく生活全般にわたってより多くの情報を収集することができます。

もちろん、現在はどの人材紹介会社も電子メールやオンライン通話などを通じて問い合わせに対応してくれますので、渡航しなくても日本に居ながら就職活動を行うことができます。
 

<ステップ2>人材紹介会社への登録・面談・求人の紹介

具体的な就職活動の第一歩として、 人材紹介会社に履歴書、職務履歴書を提出 します。これは、求職者の経歴や能力に適した求人を紹介するために欠かせない基本情報となりますので、まだ具体的に応募する会社がなくても提出します。これもオンラインでの送付が一般的です。

履歴書等の提出を受け、キャリアアドバイザーと面談します。殆どの人材紹介会社がスカイプなどオンライン通話による面談を行っています。現地にいる場合は、人材紹介会社に出向いて直接対面して行います。

面接を通じて、キャリアアドバイザーが求職者の希望、人柄などを総合的に判断し、具体的な求人を紹介しますので、希望にそうものがあれば応募します。また、各人材紹介会社は、登録した求職者に対して企業からの求人票をインターネット上で公開していますので、その中に自分が希望する求人があれば、キャリアアドバイザーに問い合わせます。

ベトナムの求人の傾向としては、 特にメーカー、建設関連、IT関連企業で日本人人材のニーズが多い です。
 

<ステップ3>求人への応募

希望する就職先があれば、人材紹介会社を通じて応募します。

それと並行し、必要な書類の準備を進めます。ベトナムでの就職の際には無犯罪証明書(警察証明書)や大学等の卒業証明書などの書類が必要となるため、早めに入手できるようにしておきましょう。必要な書類については、また別の機会に説明します。
 

<ステップ4>書類選考・面接

応募後、まず企業側が書類先行を行い、その後面接を実施 します。企業によって、日本の本社やベトナムの現地法人で直接面接を行うケースもありますが、求職者が日本に滞在している場合は、スカイプなどオンライン通話を利用して面接を実施するケースが多いです(おおむね2回実施)。

書類審査の結果については早くて1週間以内に、面接の結果もおよそ1週間以内に連絡があります。
 

<ステップ 5>内定・渡航・入社

採用が内定したら、 先方より「オファーレター(採用内定通知書)」が届きます。 これには、給与などの待遇、担当する業務の内容が具体的に記されています。この内容を確認し、必要があれば企業側と交渉して、双方が合意したところで、日本にいる人はいよいよ入社に向けての渡航準備開始です。

内定から渡航までの期間は2週間~1か月半と、状況によりかなりバラつきがあります。 在職中の場合は、早いうちから退職や引継ぎの準備をしておくと良いでしょう。

また、渡航する前に、年金、税金、保険等の公的な手続きも済ませておきます。ワークパミット(労働許可書)申請に必要な書類の確認と提出 → ビザ取得(日本国内または現地空港) → 渡航という流れです。
 

転職・就職活動の流れ自体は日本も海外もほぼ変わりません。しかし、 海外就職を希望してから入社までのスケジュールは日本に比べ非常に短いと感じる人が多い ので、諸所の手続きもさることながら早い段階から海外就職について家族に話しておくことも重要です。

 

<執筆協力>
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ 」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、SNSを活用した無料求人サイト「Billion」の運営、また日本語教育サービスを提供している。
ホームページURL → http://jellyfishhr.jp/
ベトジョーライフでコラム連載中 → 「Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~」