【つぶやき4】「目の前にはカギのかかっていない扉がいくつもあって自分次第でどこまでも開いていける」本田圭佑

2019年09月18日公開

「次回のコラムは本田圭佑の言葉にしよう!」と考えていたのは2018年ロシアW杯の頃だったので、あれからかれこれ1年以上経ってしまいました。目の前にはたくさんの扉があって、迷っていたということで…。つい最近、カタールW杯アジア2次予選の香港との試合で、カンボジアの失点シーンに本田監督が拍手をしていたという記事を読みました。「また気になることをしてるなぁ…」

「目の前にはカギのかかっていない扉がいくつもあって自分次第でどこまでも開いていける」

さて、私が授業を担当している大学で日本語を勉強してる学生のお話です。この大学は、1学年あたり12クラスの日本語クラスがあります。一クラスの人数は35名前後ですから1学年で400名以上もの学生が日本語を勉強していることになります。入学当初はひらがなやカタカナをノートに黙々と書き込んでいた学生が、2年生になる頃には日本人と会話ができるようになるのです。学生達に聞いてみると、「毎日日本語の授業がある」とのこと、専門分野は経済なのですが、「今は経済の授業はない」そうです。ローカル中学校のカオスな状態と比べると、さすがは大学生、みんな落ち着いて授業に参加しています。「卒業したら何をしたいですか?」と聞くと、全員が声をそろえて「日本へ行きたいです!」と答えます。「仕込みか?」と疑ってしまうほどです。

では、その学生達の日本語への本気度はと言うと…
Aさんは、授業中によくお菓子を食べています(大学のルールではもちろん禁止)。しかし、よく見ると日本のお菓子です。彼女が「先生、これ知っていますか?」と悪気もなく聞いてきます。よくよく見ると日本製のラムネでした。

Bくんは、私がクラス代表に指名した学生です。彼のノートには、たくさんの漢字が使われています。万葉集の歌も書かれていました。ちなみに彼はトレーニングのため、わたしは運動不足解消のため11階の教室まで階段を使って授業へ向かいます。

Cさんは、日本が好きという気持ちが本当によく伝わってくるが学生です。常にこちらを見て話を聞いていますから、よく目が合います。彼女の会話は、まだ上手ではないけれど、いつも楽しそうに練習するので周りの友だちも自然と巻き込まれていきます。

学生一人一人の日本語学習へのアプローチは違いますが、日本へ行くための扉を思い思いの方法で開けているようです。

その一方で先日、私の自宅の寝室の引出しに張り紙があるのを見つけました。「ひきだしはあきません」と娘の文字がありました。どうやら私の扉にはカギがかけられてしまったようです…。バカ親ですか?親バカですか?

本田圭佑とは…
1986年大阪府生まれ。VVVフェンロ(オランダ)、CSKAモスクワ(ロシア)、ACミラン(イタリア)、CFパチューカ(メキシコ)、メルボルン・ビクトリー(オーストラリア)など海外で活躍するサッカー選手。2018年からは、カンボジア代表監督を兼任している。

Taro Sakamoto

日本での中学校教員を経て、ベトナムで日本語教師となる。

現在、国際交流の場となる語学学校 Michi Japanese House を立ち上げ、日本式教育を拡散中。

疑問や質問、激励があればこちらまでお願いします。 >> michijapanesehouse@gmail.com

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