「気になる医療の話@ベトナム」の全記事一覧

ファミリーメディカルプラクティス

20年以上の実績を持つ、インターナショナル・メディカルセンター。ホーチミン市、ハノイ、ダナンの3都市に、5つのメディカルセンターを開設。
日本人医師、日本人スタッフも常駐。日本語ホットラインは救急時24時間対応。
救急医療・搬送サービスも提供。救急医療 専用番号 *9999 
 

  • 【第11回】新生児アビーの海外医療搬送 [2018年08月29日]

    アビーは2017年5月8日に、双子の兄と共にベトナムで誕生しました。30週目での早産で出生時の体重はわずか1240gの未熟児でした。 アビーは、生まれた瞬間から生死をさまよう状態でした。生後初日、彼女の肺機能が低下し、十分な酸素を取り入れるために、酸素吸入器を接続。また、生後数週間には、胸部血管の手術も受けました。 生後4週目では、腸のほぼ全体が壊死状態となり、危篤状態に。摘出手術にて85%の...

  • 【第10回】ベトナムで高リスクの日本脳炎~蚊対策とワクチン接種で予防を [2018年06月19日]

    日本脳炎は、極東から東南アジア・南アジアにかけて多くみられ、アジア以外の南太平洋の地域でも、ウィルスの広がりが明らかになっています。1935年に日本で初めてウィルスが発見されたことから、「日本脳炎」と呼ばれるようになりました。 日本脳炎の概要 日本脳炎は、神経系の障害を引き起こす脳炎です。蚊の媒介によって日本脳炎ウィルスに感染することで発症します。重症化すると、後遺症を残したり、死に至ることも...

  • 【第9回】緊急医療搬送 ~生命維持装置~ [2018年05月09日]

    ファミリーメディカルプラクティスの創設者でありCEO(最高経営責任者)のラフィ・コット医師は、20代のころからドクターヘリのパイロットとして活躍をしてきました。医学部卒業後は、医師として緊急医療搬送に携わっており、現在はベトナム航空の専属メディカルダイレクターも務めています。 体外循環回路治療 ~ECMO 緊急医療搬送は非常に難易度が高いものですが、その中でも 人工肺とポンプを用いた体外循...

  • 【第8回】大気汚染 ~工事現場からは有害物質も [2018年04月16日]

    ハノイやホーチミンのような大都市に住んでいると、大気汚染は避けて通れない問題です。ホコリ、煙、排気ガス・・・。往来が激しい道路や工事現場の側に住んでいなくても、有害物質にさらされ、鼻炎、咳、眼の炎症などに悩まされる人が多くなっています。 ある実験で、自分の住む環境がどれだけ大気汚染にさらされているかを簡単に調べることができます。コピー用紙を1枚、自宅の棚の上に触れずに放置します。4~5日間、毎日...

  • 【第7回】抗生物質~処方されなくてもガッカリしないで [2015年12月07日]

    ベトナムでは、抗生物質が薬局で簡単に手に入ります。そのため、ベトナムに住み始めてから抗生物質がまるで「万能薬」であるかのように思い込み、病院で抗生物質が処方されないとガッカリしてしまう、という人さえいます。しかし、抗生物質は決して「万能薬」ではありません。今回は何のために抗生物質が使われるのか、その効用の落とし穴について解説します。   抗生物質(Antibiotics:アンティバイオティッ...

  • 【第6回】デング熱~ベトナムでは1年中見られます [2015年11月04日]

    デング熱は、蚊に刺されることによって感染するウィルス性疾患で、昨年日本でも70年ぶりに感染が確認されました。現在、インドで猛威をふるっているほか、ベトナム保健省から今年の感染者数が前年より+27%増加しており、感染者のうち3名が死亡した、という報告も出ています。デング熱は、 ベトナムでは1年を通して見られる疾患のため、通年の予防と注意が必要です。 デング熱の症状 デング熱にかかると、 高熱...

  • 【第5回】性感染症のこと、どれくらい知ってますか? [2015年10月12日]

    「知り合ったはかりのバーの女の子と、コンドームなしのセックスをしてしまいました。性病をもらってしまったのではないかと心配で夜も眠れません。どうしたらいいのでしょうか、どんな検査をしたらいいのでしょうか」 性感染症への対処は、病気とその症状から診断し、治療を進めます。医師との診察時に恥ずかしさから本当のことを打ち明けなかったために、状況が複雑化し、周りの人にも病気を広めてしまうことになる場合が...

  • 【第4回】狂犬病をご存知ですか? [2015年09月10日]

    今回は、いきなり質問から始めます。次の病気の中で、最も危険なものはどれでしょうか。 1. デング熱 2. エボラ出血熱 3. 狂犬病 当地ベトナムでもよく見られるデング熱ですが、実は75%は無症状で、重症化するのは5%程度、無治療であればそのうちの10%が死亡すると言われており、つまり致死率0.5%です。 2014年のエボラ出血熱の流行では、WHOによりますと、ギニアとシエラレオンでエボラ出...

  • 【第3回】その下痢、アメーバではありませんか? [2015年07月31日]

    ベトナム赴任中あるいは旅行中に、もっともよく罹る病気は下痢ではないでしょうか。下痢にもいろいろな原因がありますが、 きちんと検査すれば見つかるもの きちんと治療すれば早く良くなるもの の筆頭がアメーバではないかと思います。 アメーバ(アメーバ症) 私は、日本国内でアメーバを見たことが一度もありませんでしたが、こちらに赴任した初日にアメーバによる下痢のケースに遭遇しました。そのくらい、ベトナ...

  • 【第2回】ベトナムではB型肝炎に注意 [2015年04月24日]

    「体がだるくてシンドイな、と思っていたら顔が黄色くなってきてしまって」 そういって受診される患者さんがいます。 ベトナムは B型肝炎 が多い国です。ベトナムでは、肝炎ウィルスに感染する可能性が日本にいるときよりも高くなります。 A型肝炎ウィルスは主に水や食べ物を介して感染します。衛生管理の整っていない屋台や食堂での食事や食器からの感染がその一例です。一方、B型肝炎は、主に血液、体液を介して感...

  • 【第1回】ビーチでは「サンドフライ」に注意 [2015年01月19日]

    「ビーチで遊んで、帰った翌日にブツブツができて、1週間たっても治らない」 そういって受診される患者さんは結構います。 ベトナムのビーチでよく問題になるのが サンドフライ による虫刺されです。 直訳すれば砂バエですが、実際には砂地に生息する吸血性の小ハエ全般の名前です。 日本語ではサシチョウバエになります。 この小ハエは砂地であるビーチにもよくいます。ビーチによってはサンドフライに注意と...

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