労働許可取得、必要書類は?
~応募時から準備を~

2016年10月24日公開

ベトナムにある会社への就職が内定したら、外国人がベトナムで働くために必ず行わなければならないのが 労働許可書(ワークパーミット) の取得です。この労働許可書がなければ、働く目的でベトナムに滞在するためのビザ(査証)の取得もできなくなってしまいます。また、労働許可書を取得せずに働いた場合、会社に罰金が科されるのと同時に、外国人労働者本人も国外退去処分になります。

労働許可書の申請手続きは採用する企業が行うことになるのですが、採用される側が 日本であらかじめ用意して持参しなければならない書類があります。 ベトナムの会社で初めて仕事をするのであれば、どの会社で働くにしても基本的に必要な書類はだいたい同じですので、応募時点から取得準備を始めておくのが良いでしょう。


 

労働許可書の種類

ベトナムにある会社で働く外国人に発給される労働許可書には、主に次の3つの種類があります。

職務 対象者
管理者・CEO 管理職の職務経験を有する者。
専門家 担当する職務を専攻して大学の学位(または同程度)を持ち、さらにその分野で3年以上の勤務経歴がある者。国外の組織・機関・企業により「専門家」と認定された者。
技術者 その技術分野またはその他の専攻で1年以上学び、その専攻分野で3年以上の勤務経歴がある者。

  

日本で準備しなければならないもの

担当する業務の内容により取得する労働許可書や準備する書類が若干変わってきますが、ここでは現地採用される日本人の多くが該当する 「専門家」として労働許可書を取得する際に必要な書類 について説明します。

労働許可証の申請は会社側が行いますが、皆さんは申請に必要な書類を準備しておきましょう。
 

パスポート(残存期間注意!)

海外での就職を考えていればもちろん取得しているとは思いますが、期限が切れていないか、少なくとも半年間以上の残存期間があるかを確認してください。労働許可書の有効期限は最長2年ですが、パスポート自体の有効期限にあわせて期限短縮されてしまいますので、短い期間で更新が必要となってしまいます。 有効期限が1年未満になっている場合は、パスポートを更新しておくのがベストです。


 

大学等の卒業証明書

大学等の卒業証明書(英文)は、卒業大学であらかじめ取得しておきます(卒業時に授与される「卒業証書」ではありませんので注意!)。
 

在職証明書

職務経験があることを証明するための書類です。ベトナムで就業するポジションに必要な職務を経験した会社に対して、(1)職種、(2)職務内容、(3)入社年月日、が記載されている在職証明書を作成してもらいます。
 

無犯罪証明書(6か月以内に発行されたもの)

警察証明書(ベトナムでの通称:無犯罪証明書)は、日本で居住する地域の警察署で取得するか、ベトナムに渡航してから在ベトナム日本国総領事館または在ホーチミン日本国総領事館で取得することができます。但し、 ベトナムに渡航してから取得すると2か月は要するため、あらかじめ日本で取得することをおススメします。 日本だとおよそ10営業日で取得できます。

なお、日本に住んでいない場合は、直近の滞在国での無犯罪証明書が必要です。現在ベトナム在住している人については、日本の無犯罪証明書ではなく、ベトナムの居住地の司法局より 「司法履歴書」 を発行してもらいます。過去にベトナム滞在経験がある場合は、日本(または直近滞在国)とベトナム、両方が必要になります。
 

日本で準備することができるもの

健康診断書

必要な検査項目を満たしていれば、ベトナム国外で発行された健康診断書も有効です。そのため、渡航前に日本で健康診断を受けることも可能ですが、その場合公証化手続きが煩雑なため、 ベトナム国内の指定病院で受診することをおススメします。
 

顔写真2枚(4cm×6cm)

労働許可書申請に必要な顔写真は履歴書に貼るために撮影したものを使用してもかまいませんので、手元にあれば持参すると良いでしょう。但し、ベトナムの証明写真は 「白背景」 と定められています。青色など色がついた背景写真は使用することができませんので、注意してください。注意点は次の通りです。

+ 提出日から直近6か月以内に撮影されたカラー写真
+正面から撮影し、顔全体と両耳がはっきり見えること(髪が長い場合は耳にかけるか結ぶ)
+ 白背景、無帽、眼鏡なし
+原則として笑顔不可(口角が若干上がる程度であれば認められる場合が多いが、歯が見えているものは受理されない)

(ベトナムの写真屋さんでも手軽に撮影できます)
 
 
以上、ベトナムで労働許可書を申請するのに必要なものの中で、あらかじめ用意しておいたほうがよいものを紹介しました。書類を取得した後、更に 公証化手続きが必要なものもあります ので、採用される会社の担当者や仲介した人材紹介会社の指示に従って準備するようにしましょう。
 

<執筆協力>
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ 」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、SNSを活用した無料求人サイト「Billion」の運営、また日本語教育サービスを提供している。
ホームページURL → http://jellyfishhr.jp/
ベトジョーライフでコラム連載中 → 「Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~」