グアバ / Ổi

2019年07月01日公開

[日] グアバ、グァバ、バンジロウ / バンザクロ / バンセキリュウ(蕃石榴)
[越] Ổi(オーイ)
[英] Guava
[学] Psidium guajava L.(フトモモ科)
[原産] 熱帯アメリカ
[サイズ] 直径10cm前後

日本人のイメージと異なるさっぱりした味わい

日本人にとってのグアバのイメージは、グアバ味のガムのようなトロピカルフルーツらしい濃厚な香りではないかと思いますが、ベトナムで初めて生のグアバを食べた人は、あまり甘くもなく香りも強くないことにがっかりするかもしれません。世界各国にある品種によって味が違うようで、ベトナムで一般的に流通しているグアバの味は、若干洋ナシ寄りの汁気のない梨といった感じでしょうか。歯ざわりもバリバリしていて、食べた後口がさっぱりします。


© VIETJO Life

ベトナムでは全国各地で通年収穫されており、バナナと同じくいつでも食べられる安価な果物なので、食堂でお昼ご飯を食べるときにサービスで出される果物(通常はバナナ)がグアバということもあります。


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ベトナム語でグアバのことを 「Ổi(オーイ)」 と言います。和名では 「蕃石榴(バンザクロ)」 などと呼ばれていますが、実のお尻の部分を見ると、石榴と呼ばれる理由がわかります。

果肉は白いものが主流、近年はピンク色も


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ベトナムにで一般的な品種は果肉が白いものですが、近年は果肉がピンク色のものもたくさん流通するのようになりました。ピンクのほうが甘そうに見えますが、白いものとさほど大差はなく、ものによっては酸味がちょっと強いように思います。香りはピンクのもののほうが強いかもしれません。

食べ方

皮をむかずに、クシ切りにして食べます。実の中心ほど甘みがありますが、小さな硬い種がたくさんあります。種を一緒に食べてしまっても大丈夫ですが(但し人によってはお腹がゆるくなることがあるそう)、気になる人は種のある部分を取り除いて食べるとよいでしょう。ベトナム人は全部食べる人のほうが多いように思いますが、クシ切りにして種のある中心部分にかぷっとかぶりついてそのまま吐き出して種を取り除く、という食べ方をする人もいます。中心部分が一番甘いので、捨ててしまうのはちょっともったいないですね。


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食べるときは唐辛子入りの塩(Muối ớt、ムオイオット)やエビ塩(Muối tôm)を使います。唐辛子入り塩は家で塩と唐辛子をすり鉢に入れて作る人も多いですが、スーパーマーケットでも手軽に購入することができます。

グアバはビタミンCが豊富で美容に最適

グアバの栄養素で最も豊富なのは ビタミンC 。オレンジの4倍のビタミンCを含んでいるそうで、グアバ2分の1個で1日に必要なビタミンCが補えると言われています。ビタミンCには、抗酸化作用、がんや動脈硬化の予防や老化防止などの効果が期待されています。

また、グアバは他の南国フルーツに比べて果糖が少なく、繊維質が多いため血糖値の急上昇を起こしにくいとのこと。最近の研究では、少量のグアバジュースを飲んだ糖尿病患者の血糖値が低下したという結果がでているそうです。

さらに、グアバに含まれる カリウム の作用で、高血圧改善の効果も期待できるそうです。

ベトナムではビタミンCが豊富で「美容に良い」ということで、特に女性が好んで食べています。


グアバの花と実

選び方

グアバは見た目でどれがちょうどよく熟しているのか見極めるのが難しいです。熟していないと硬くて甘くないし、熟しすぎていると歯ごたえがすかすかで味もいまひとつ。

品種によって若干違いがあるようですが、一般的に出回っている品種の場合、色はあまり緑が濃すぎず、明るい緑色ものを選ぶとよいです。ぱりぱりとした歯ごたえを味わうことができます。少しやわらかくより甘さと香りを楽しみたい人は若干黄色がかったものを選ぶとよいでしょう。実の表面がごつごつしたもののほうが種が少ない品種だそうです。

手に持って皮を押してみて、ガチガチに硬いものはまだ熟していません。僅かに跳ね返るような弾力があるものはほどよく熟しています。また、お尻側のへそのようにへこんでいる部分、ここが小さく穴が深いものはまだ熟しておらず、広がっていて穴が浅いものは熟しています。

保存方法

グアバは収穫後急速に熟していく果物だそうで、 購入した後はビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管するのが良いようです 。冷蔵庫に入れていても熟していくそうなので、果肉がやわらかいものを食べたい場合は、購入後冷蔵庫で数日置いてから食べると良いでしょう。

【ポイント】 やわらかいグアバが好きな人は、少し黄色がかった、へそが大きく開いたものを選ぶべし。