【日本人が知らない】ディープなベトナム案内

第14回【人生で一度は訪れたい】ベトナムの秘境・サパの旅

2020年10月13日公開

みなさん、こんにちは!ホーチミン在住のベトナム人 ICONIC のHanです。コラム 「【日本人が知らない】ディープなベトナム案内」 では、ベトナムでの旅行やグルメ・文化・ショッピング・その他おもしろ情報を発信していきます。

昨年、私は友達と西北部の雄大な山岳地帯へと旅に出ました。私達が向かったのは、 ラオカイ省 にある サパ(Sapa) です。私にとって、これまでで一番の遠征旅行となり、本当にたくさんの思い出や面白い体験ができました。今回のコラムでは、皆さんにこの素晴らしいサパの旅をお話しましょう。

ベトナムの秘境、サパってどんな場所?


引用: LUXSTAY

まずはサパの概要を紹介します。ベトナムの西北部地方に位置し、中国・ラオスの国境付近にあるサパは、丘陵や山脈が続く山岳地帯となっています。ベトナム最高峰の ファンシーパン山 (標高3143m)もサパにあります。平均気温は16~30℃で、6月~9月にかけて降水量が多くなり、12月~2月は冬に入ります。 年末に雪が降ることもある ため、熱帯の国ベトナムでは非常に珍しい地域です。

西北部はサパがあるラオカイ省に加え、 ホアビン省ソンラ省ライチャウ省 などで構成されます。これらの省都には タイ族、ムオン族、ヤオ族、モン族などの少数民族が暮らしており、彼ら独自の文化を見学することができます 。ベトナム東北部地方の タイグエン省 の少数民族によるコング文化(Cồng–Chiêng)との違いを発見できますよ。

また、サパでは大自然や伝統文化に限らず、都市開発によるモダンな街並みが広がっています。今後は観光地としての発展が期待されますが、私は今現在の安らかで落ち着いた雰囲気や、ありのままの美しさを守ってほしいと思います。

サパへ出発!ホーチミン・ハノイからサパへの行き方

ホーチミン市からサパへは約2000kmの長い道のりです。飛行機・列車・バスのいずれかで向かいましょう。列車やバスなら約2日、飛行機ならハノイまでのフライトが2時間、その後列車やバス・タクシーで5~6時間かかります。ただし、ハノイから列車で行くとラオカイ駅でいったん降車し、タクシーに乗り換えてさらに30kmを進むことになります。そのため、 ハノイの空港からバスで向かうのが一番良い と思います。 Green busInter Bus LineSapa Express などのバス会社がおすすめです。

ちなみに、サパの小さな宿やホームステイ先では、滞在客向けにコンボ・パッケージを提供しています。これはピックアップバスと宿泊代がセットになったプランで、私達は Art House Sapa の2泊3日のパッケージを選びました。夜10時にハノイ空港に到着すると、バスが待っていてくれて便利でした。

サパに到着!Art House Sapaとおすすめのホテル

私達がサパに足を踏み入れたのは、翌日の朝4時でした。バスを降りた瞬間、新鮮で涼しい空気を感じ、清々しい気持ちになれました。無事にホームステイ先の宿に到着し、スタッフの方の特別な計らいで、屋上から素晴らしい景色を臨むことができました。黄金色の田畑や小さな家と共に、広大な山脈が目の前に広がっています。


筆者撮影:Art House Sapaの屋上から見た景色

その後ひと休みをして荷物を整理し、朝食に豚肉のブンをいただいた後、霧に包まれたサパの町を見学しに出かけました。なお、今回宿泊したArt House Sapaは、サパの中心地から2kmくらい離れた場所にあります。私達のプランにはピックアップバスと宿泊に加え、ブン/フォー/ラーメン等の朝食が2回、ミルクティーが1杯、カットカット(Cat Cat)村での撮影用に民族衣装の貸し出しが含まれていました。私達のように節約したい旅行者にはぴったりのパッケージです。

もう少しリラックスしたい方には、サパの大自然を眺望できる温水プール付きのリゾートホテルや5つ星ホテルがあります。 Pao’s SAPA Leisure HotelAmazing Hotel SapaEco Plams House などは口コミが良くおすすめです。

ギネス認定のロープウェイでファンシーパン山へ

サパは各観光スポットが離れているので、バイク・レンタカー・ドライバー付き車両などのサービスを利用しましょう。普段からバイクに乗り慣れている私達でも、標高が高いサパの坂道は危ないので、できるだけタクシーや車を利用するべきです。体力的にも時間にも余裕がありますし、より旅を楽しめると思います。

ホーチミンなどの賑やかな都市部とは異なり、わずか9000人ほどの人々が暮らす小さなサパの町は、緑豊かで平穏な暮らしぶりが伺えます。その中でも 「インドシナの屋根」と呼ばれるファンシーパン山は象徴的な存在 です。私達の最初の目的地でもありました。

登山家が2~3日掛かりで登る山ですが、観光客はロープウェイで行くこともできます。2016年にラオカイ省人民委員会とサングループ社が共同で、世界最長の6325mにも及ぶロープウェイを竣工しました。当時は世界一のロープウェイとして、ギネス記録を獲得し話題になりました。


高さ3143mのファンシーパンの山頂
引用: Gala Travel

ロープウェイを運行している ファンシーパン駅は、西北部の民族文化とヨーロッパの現代建築様式が融合した、まるで芸術作品のように立派な建物 です。


ファンシーパン駅
引用: tuvandulich.vn

ここではロープウェイ+ケーブルカーのチケット代が、1人あたり84万VND(約3870円)で購入できます。健康な方なら、ロープウェイ降車後にケーブルカーを使わず、600段の階段を登って山頂を目指すこともできます。ロープウェイは一度に30~35人が乗車できる広さで、15分ほどで頂上付近に到着します。

なお、ファンシーパン駅までは車で行けますが、 時間があればサンプラザ(SunPlaza)駅から出ている山岳鉄道に乗ってみましょう 。チケット代は1人5万VND(約230円)です。サンプラザ駅は色鮮やかでおしゃれな外観、駅構内も写真の通りムード満点なので要チェックです。


山岳鉄道
引用: An Ninh Hải Phòng

ようこそ!空に浮かぶファンシーパン レジェンドへ

ファンシーパンの山頂付近に到着すると、 ファンシーパンレジェンド (Fansipan Legend)という巨大なお寺が現れます。バオ・アン・ティエン・トゥ(Bao An Thien Tu)、ビック・ヴァン・ティエン・トゥ(Bich Van Thien Tu)、キム・ソン・バオ・タン・トゥ(Kim Son Bao Thang Tu)などは南部の古いお寺のような風格があります。

幸運にも雲が晴れた日には、雲海に建つ見事な光景を見ることができます 。まるで空に浮いている感じです。しかし、私達は霧が濃くなっている時に着いたので、お寺はうっすら見えるくらい、時には周りの人も見えなくなることがありました。なお、山頂の気温は7℃まで下がるため、コートを着て防寒してくださいね。


ファンシーパン レジェンド
引用: 24h.com

最初にタイン・ヴァン・ダック・ロー(Thanh Van Dac Lo)を見学したら、ドークエン(Do Quyen)駅でケーブルカーに乗り、次の地点を目指します。そこでは 高さ21.5mにも上るベトナム最大の仏像 を目にすることができます。ベトナム西北部に住む民族達の象徴的な存在で、毎年僧侶や旅行客に向けに大きな仏教祭典が開かれます。

そして、チュックマイ(Truc May)駅のケーブルカーに乗り最後の駅に到着したら、少し階段を登り、ついに山頂に到着です。インドシナ最高峰の頂に立つことができます。 私達は山頂にあるベトナム国旗の下に立ち、自国の美しさに誇りを感じました 。こうして、サパの町からの山岳鉄道やギネス級のロープウェイ、ケーブルカーを乗り継ぎ、標高3000mを超える「インドシナの屋根」を制覇できました。

なお、ファンシーパンには西北部の特産品やお土産、コーヒーショップ、レストランなどがあります。広大なラベンダー畑もあり、きれいな紫色の庭で、自由に飛び跳ねて写真を撮ったりできますよ。様々な体験と共に、「さようなら」を告げてファンシーパンを後にします。

サパの絶景夕日スポット&縁結びの木へ

太陽が高い位置に登り、暖かな日差しが小さなサパを覆う頃、私達は山林にあるうねうねと曲がった道を歩いていました。次の目的地は Cong Troi(空の門) です。そこは夕日を眺めるのにベストスポットです。残念ながら今回は霧で見えませんでしたが、みなさんにもぜひ訪れてほしいです。


筆者撮影:Cong Troiから眺めた山林や青い空

Cong Troiはオ・クイ・ホー(O Quy Ho)の山頂にあり、サパの中心地から北へ18kmくらいの場所にあります。この山はホアン・リエン・ソン(Hoang Lien Son)山脈の一部で、山道にはタックバック(Thac Bac)、タック・ティン・イエウ(Thac Tinh Yeu)などの滝、モン族のきれいな花庭を訪れることができます。

そして最も特別な場所は、 Cay co don(孤独の木) です。山林の中になぜか1本だけ独立した木が出現したとして、この名前が付けられました。木に近づくためには、空に浮かぶ竹でできた道を歩いて、自分の勇敢さを示さなければなりません。恋人が欲しくて孤独でいる方なら、ぜひ孤独の木の側まで渡って、素敵な恋人ができるよう祈りましょう。


筆者撮影:私とCay co don

ファンシーパンとオ・クイ・ホー、2つの山を制覇したところで、暗くなる前にサパの中心地に戻りました。その後は広場で週末を過ごす人々と共に、西北部の伝統的な音楽を楽しんだり、サパの古い教会で写真を撮ったり、ナイトマーケットを散策したり、買い物をしたり、賑やかな時間を楽しむことができました!

※関連記事をICONICのWEBサイトで公開しています。
>> 人生で一度は訪れたいベトナムの秘境・サパの旅②

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